3D京都

いにしえの京都を3Dで再現します。短歌、史話、公家さんも書きます。

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無事、放送されました。

12日(火曜)にお知らせしました、NHK・BSプレミアム「偉人たちの健康診断」・平清盛 体から黒煙? 怪死の真相、に自分の描いたイラストが使われる件ですけど、昨日13日夜、無事、放映されました。

偉人たちの健康診断-2020-02-13-平清盛編表紙

番組の中では画面一杯に大きく取り上げられ、画面右下のクレジットには「CG制作 梅村京一朗 3D京都 監修 川本重雄」と表示され、やぁー、うれしかったです。

使用されたCG、アイソメ図(等角投影図)は平清盛の住まいであった六波羅泉殿の寝殿室内を描いたものです。

2020-01-20-六波羅泉殿寝殿等角投影図
平清盛の六波羅泉殿寝殿のアイソメ図。

アイソメ図とは、立体を斜めから見た図を表示する方法のひとつで等角投影図のことです。 X,Y,Z 軸がそれぞれ等しい角度で,つまり120度間隔で見える角度で立体を投影する製図法で正確な寸法のまま図面を立体的に表現できるので、建築関係でもよく使われているそうです。

番組では、このアイソメ図が原図の山槐記(平安末期の公卿・中山忠親の日記)所載の平面指図(寝殿を産所とした清盛の娘・徳子を見舞う貴顕貴族の席順表)から柱がニョキッと立ち上がりアイソメの立体図へと、まるで紙風船が膨らんでいくように表現されていて、そのアレンジ方法に「流石、プロの編集者、上手いなぁ」とちょっと感動しました。アイソメ図を白黒で描いた訳も納得です。原図も同じ白黒ですから。

Rokuhara001.jpg
山槐記に載っている清盛の六波羅泉殿寝殿の平面、着席図。

放送の中で、「清盛の寝殿は柱が多く立ち襖や引戸で幾つもの個室に分けることができた、結果、冬場の乾燥期にも一定の湿度が保たれインフルエンザの予防にも効果があった」と解説されていました。確かに襖や引戸なら、梅雨や夏場は開放し冬は個室に仕切ることで日本の四季に合った、人の健康にも作用する寝殿だと思いました。清盛の進取の人柄が読み取れます。

この辺について、建築史家の川本重雄教授がインタビューで解説され「従来の柱の少ない解放的な寝殿造はある意味欠陥住宅でした。清盛の寝殿は儀式空間だけでなく住居としても使えるよう一間毎に柱を立て個室にも対応できるようにしてました」と清盛邸の先進性を強調されていました。

今回の作図にあたっては川本先生からお声がけを頂き制作しました。私も多少なりとも寝殿造について知識があったので、先生から一から十まで教えを請ずとも、「ここをこうして下さい」という依頼に比較的速やかに対応できたと思います。また、自分の方からも一部、図案について提案もさせていただくなど、全体的にスムーズに制作することができました。

川本重雄教授は元京都女子大の学長もされ、建築史家として寝殿造研究の権威の方です。中世建築を主に近世の日本建築まで幅広く研究されています。寝殿造では、従来の定説とされていた「寝殿を中心として左右に東西両対屋、背後に北対を持ち寝殿の南に遊興としての泉水・庭と釣殿、泉殿という左右対称の”正規寝殿造”形から平安後期に至る過程で”非対称”な構成へと変化していった」という流れに異を唱え「寝殿造は開放的な寝殿と南庭とが一体化した儀式空間であり、その時々の接客の方法や空間の変化によって、寝殿造の発生から定型に捉われず様々な非対称の形式があった」、との新しい解釈を提唱し、それが今、主流となっています。
清盛の幾つもの個室から構成された寝殿は、儀式と住空間を兼ねた当時としては、後の書院造りへと繋がっていく過渡期の形だったと思います。(自分なりに解釈しましたので間違っていたら訂正します)。

川本教授の主著に「寝殿造の空間と儀式」という書籍があり中央公論美術出版社から刊行されています。私も持っています。興味のある方はぜひ読んでみて下さい。

寝殿造の空間と儀式の表紙
「寝殿造の空間と儀式」川本重雄著。

番組では、おそらく昨年末から企画されたものでタイトルの帯附に「新型感染症」とありましたが、ちょうど同時刻帯に、ニュースで「新型コロナウイルス 神奈川の80代女性死亡、感染者死亡は国内発!」との一報が飛び込んできてビックリしました。

2020-02-13-新型肺炎ニュース(80歳女性死亡)

しかも、同日、東京、千葉でも感染者が見つかり国内でも感染が広がる可能性が出てきました。番組内容も清盛の死を巡って同じ感染系のインフルエンザや疫病、マラリア熱等について症状や原因について解説していたので、あまりにも偶然というか新型コロナウイルスへの恐怖を覚えました。番組自体はおそらく「清盛の死はマラリア熱が原因」との説をベースにインフルエンザなど感染系の病気について全般的に取材したものだと思いますが、1月25日の中国春節前後から急に報道され始めた同コロナウイルスの脅威を前に番組の一部を急遽差し替えたように思えました。感染症に対する防疫、対処、環境面などの面から淀んだ水、大気が乾燥していると感染が広がり易いとか、湿度が50%を超えるとウィルスは急激に減る、また充分な睡眠が免疫機能を高めるとも解説していました。

このようなタイミングでしたから、番組の編集スタッフもかなり神経を使ったのではと仄聞致します。そんな中で、自分の作品も取り上げて頂き見事な番組構成でした。ディレクター始めスタッフの方、そしてご縁を頂いた川本先生に感謝申し上げます。

それとともに、菜種梅雨が少しでも早く降り日本を湿らせウイルスを撃退できるよう願うばかりです。もちろん世界と共に。

※ 蛇足ですが、同番組は来週の20日(木)朝8時から再放送されます。よかったら視て見みてください。

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五反田猫様
コメントありがとうございます。

五反田猫さんから教えて頂けるまで、和歌と現代短歌の本当の違いについて分かりませんでした。学校では学びませんから。
詩人の中野重治が「花鳥風月」を詠うな、と言いましたが、五反田猫さんの言われる「現代短歌は単独で鑑賞できるものを重視しますが、古典和歌は披露される場(饗応や歌会)があって存在するもの」という解説を改めて伺って、成程なぁ、と頷いている次第です。
もっと日本の古典について理解を深めないといけないですね。

たとえば、普段している挨拶のお辞儀ですが、あんなに昔からペンギンのようにヒョコヒョコ頭を下げていたんですかね?何かあんまりみっとも良くないです。
外国人などよく日本人のお辞儀の真似をしたりしますが多少、侮蔑の感情が入っている感じがします。品のある所作とか、礼法とか昔の日本人にはあったと思います。
幕末、アメリカを訪問した幕府の侍たちの立派な挙手、振る舞いに感心したとか聞いたことあります。いろいろと温故知新を掘り返すのが大切だな、と思いました。

五反田猫さんも新型コロナには気を付けてくださいね。

色々な事があったのですね * by 五反田猫
残念ながら番組は見られませんでしたが、お話しを伺うだけでも興味深いです。
川本重雄先生は、建築の専門家ですが、生活 特に饗応という観点で貴族邸宅を研究されており、独自の視点がとても興味深いです。
和歌の世界も共通したものがあり、現代短歌は単独で鑑賞できるものを重視しますが、古典和歌は披露される場(饗応や歌会)があって存在するもの。何か共通したものを感じます。

京一朗さんも、文献も御覧になり指図から3Dをおこされているので、専門家の話から対応が容易に出来るのですね。これも素晴らしい。
アイソメ図というと聞きなれませんが、まさに絵巻に出てくる寝殿の図。
屋根を取り払って内部を描き、斜め上からの視点で関係する人物を描く。

>インフルエンザや感染症
清盛も、当時最先端であった中国との貿易。 利益の面でも技術の面でも得るものは多かったのでしょう。 同時に疫病も呼び込んだのは、奇しくも現在の日本と同じですね。
コロナウイルスは密閉環境で感染するので、むじろ隙間風の吹く開放環境の方が感染防止には良いかもしれません。 2月の和歌関連のイベントが2つありますが、現状ですとどうなるか不明です。とは言え、出来るだけの準備をしております。
京一朗さんも、どうぞお元気でお過ごし下さい。

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AzTak様コメントありがとうございます。
過分な言葉を頂き恐れ入ります。
果たせない夢だからブログで作ってみようと始めましたが何とか途中、休みつつもここまで続けてきました。私は AzTakさんの鉄のような意思で続けられている日々のブログこそ尊敬しております。きっと何か突き動かせるものがご自身にあるからだと思います。私も少しある気がします。

素晴らしいです * by AzTak
NHKの番組内で使用され、しかも、その作品を見ながら重鎮の住まいの先進性についての解説まであったようで、素晴らしいことだと思います。真似しようにもできない高みを極めたレベルだと思います。
ただただ仰天する場なりです。

コメント






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五反田猫様
コメントありがとうございます。

五反田猫さんから教えて頂けるまで、和歌と現代短歌の本当の違いについて分かりませんでした。学校では学びませんから。
詩人の中野重治が「花鳥風月」を詠うな、と言いましたが、五反田猫さんの言われる「現代短歌は単独で鑑賞できるものを重視しますが、古典和歌は披露される場(饗応や歌会)があって存在するもの」という解説を改めて伺って、成程なぁ、と頷いている次第です。
もっと日本の古典について理解を深めないといけないですね。

たとえば、普段している挨拶のお辞儀ですが、あんなに昔からペンギンのようにヒョコヒョコ頭を下げていたんですかね?何かあんまりみっとも良くないです。
外国人などよく日本人のお辞儀の真似をしたりしますが多少、侮蔑の感情が入っている感じがします。品のある所作とか、礼法とか昔の日本人にはあったと思います。
幕末、アメリカを訪問した幕府の侍たちの立派な挙手、振る舞いに感心したとか聞いたことあります。いろいろと温故知新を掘り返すのが大切だな、と思いました。

五反田猫さんも新型コロナには気を付けてくださいね。
2020-02-17 * [ 編集 ]

色々な事があったのですね

残念ながら番組は見られませんでしたが、お話しを伺うだけでも興味深いです。
川本重雄先生は、建築の専門家ですが、生活 特に饗応という観点で貴族邸宅を研究されており、独自の視点がとても興味深いです。
和歌の世界も共通したものがあり、現代短歌は単独で鑑賞できるものを重視しますが、古典和歌は披露される場(饗応や歌会)があって存在するもの。何か共通したものを感じます。

京一朗さんも、文献も御覧になり指図から3Dをおこされているので、専門家の話から対応が容易に出来るのですね。これも素晴らしい。
アイソメ図というと聞きなれませんが、まさに絵巻に出てくる寝殿の図。
屋根を取り払って内部を描き、斜め上からの視点で関係する人物を描く。

>インフルエンザや感染症
清盛も、当時最先端であった中国との貿易。 利益の面でも技術の面でも得るものは多かったのでしょう。 同時に疫病も呼び込んだのは、奇しくも現在の日本と同じですね。
コロナウイルスは密閉環境で感染するので、むじろ隙間風の吹く開放環境の方が感染防止には良いかもしれません。 2月の和歌関連のイベントが2つありますが、現状ですとどうなるか不明です。とは言え、出来るだけの準備をしております。
京一朗さんも、どうぞお元気でお過ごし下さい。
2020-02-17 * 五反田猫 [ 編集 ]

No Subject

AzTak様コメントありがとうございます。
過分な言葉を頂き恐れ入ります。
果たせない夢だからブログで作ってみようと始めましたが何とか途中、休みつつもここまで続けてきました。私は AzTakさんの鉄のような意思で続けられている日々のブログこそ尊敬しております。きっと何か突き動かせるものがご自身にあるからだと思います。私も少しある気がします。
2020-02-16 * [ 編集 ]

素晴らしいです

NHKの番組内で使用され、しかも、その作品を見ながら重鎮の住まいの先進性についての解説まであったようで、素晴らしいことだと思います。真似しようにもできない高みを極めたレベルだと思います。
ただただ仰天する場なりです。
2020-02-16 * AzTak [ 編集 ]