3D京都

いにしえの京都を3Dで再現します。短歌、史話、公家さんも書きます。

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アインシュタインが愛した京都御所-長橋局内観編

冒頭に書かずにはおれないので書きます。

昨日、一人の放火犯によって、京都アニメーションのスタッフの方33名がお亡くなりになり、今も36名の重軽傷の方が病院で治療を受けておられます。火傷はとても痛ましく人に寄っては後々まで後遺症になって苦しむ場合も多いと聞きます。火傷から治ってもペンを握れない人も出てくるかもしれない。若い女性も多く、顔に火傷の後が残ったら可哀そうの一言です。

昨日はNHKの取材の直前で、主要スタッフも揃っていました。スタッフのなかには日本のアニメ界をリードする宝のような人材の方も多くいました。犯人と何の接点もないのにこのような卑劣な放火殺人はとても許されるものでなく、犯人には必ず火傷から回復して動機を究明、裁判で厳しく罪を弾劾してほしいし、それがせめてもの亡くなった方への慰霊になると思います。犯人が単独犯か、あるいはバックに何者かがいるのか?早期の真相究明を願っています。それが何よりもの再発防止に繋がると思います。

改めまして志半ばで死亡された方々のご冥福をお祈り申し上げます。



アインシュタインの愛した京都御所、今回は参内殿廻り、長橋局の内部の一部を3DCGで紹介したいと思います。襖絵に主に引用させて頂いた『「宮内庁協力・毎日新聞社刊の「皇室の至宝 御物 障屏・調度Ⅲ」』のなかには長橋局の華麗な襖絵・杉戸も載っていますが帝の御常御殿のような主要殿舎ではないので一部しか紹介されておりません。ですので自分でイメージ襖絵を作ったり、襖絵も本来の位置から変えたケースもあります。分かり易くビジュアル的に表現したかったからです。ですので変更箇所は解説を加え「仮想空間」の御殿として見て、楽しんで、参考にして頂ければ幸いです。

参内殿アリアとして三つの建物を擁しそれなりにボリューム感でたかなぁ、と思っていましたが、いざ、御所全体の中にセットしたら、

参内殿を御所に組み込んでみた
新たに制作した参内殿を含む京都御所の俯瞰図。

「小っさっ!」と開口一番思いました。自分で作っておきながら何を言わんか、ですが、ホント小さい、何処にあるかわかりますか? こうして俯瞰すると京都御所って広いもんだなぁ、と改めて思いました。



参内殿及び長橋局内観ルート図-2
参内殿及び長橋局の内部紹介ルート。

内部について主に表の間を紹介します。他の台所とかの内部も作ってみると面白いと思うのですが、作る時間があったら、他の建物の外観作りを優先してしまい未だ実現していません。その内、落ち着いたら作ってみようと思っています。

内部は主に襖絵など障壁画も合わせた3DCGの掲載なので再度、障壁画の画題と絵師、位置を解説した図も載せます。参考にしてください。(宮内庁協力・毎日新聞社刊の「皇室の至宝 御物 障屏・調度Ⅲ」の巻末解説欄より引用)。

最初に参内殿から入ります。参内殿の内部はすでに掲載済なのですが長橋局と隣り合わせで繋がっているので両方見開きでのCGも何枚かあります。

では、スタート、

2019-07-16-参内殿上段間
参内殿上段の間。襖絵は漢の養蚕の一つ。


2019-07-16-参内殿中段間
参内殿中段の間の襖絵、

画題は「漢の春山楼閣」。石田悠汀作。漢の時代の楼閣が艶やかに描かれています。作者の石田悠汀は、一時、丸山応挙が師事していたことで有名になった石田幽汀の孫に当たります。描かれた漢の時代は四百年間も続き、いまでも漢字は”漢字”と言われ日本も大きな影響を受けています。従って参内殿は伝統ある狩野派、土佐派が手掛けた為か、すべて漢の風景が画題となっています(この辺の説明は前記事と重複してます)。この四面襖絵を開けると長橋局の下、中、上の間の三間が続きます。何れの間も”○○の段”とは書いていないので三間とも畳は同じ高さにしました。このへんも参内殿とは違う女官の局を意識した差別化を演出してますね。


2019-07-16-参内殿から長橋局を
参内殿中段の間から襖絵を除いて通しで長橋局を見ます。

中段の間は12畳、長橋局は下・中の間が各12畳、最奥の上の間は13畳、合わせて49畳もある広さです。3DCGといえども広いですね! ちなみに、私の3D制作は一貫して実寸で作っていますのでそれなりの遠近感はあると思いますよ。


2019-07-16-長橋局の三の間から上之間&床の間を見る

長橋局の下の間に入って上の間を眺めます。少し上の間、そして床の間も近づきました。

2019-07-16-長橋局の二の間から上之間を見る
さらに近づいて中の間から上の間を見ます。

画面左(北面)の蝶が飛んでいる襖絵、実は私が描いた(というよりもアレンジ)ものです。三間とも北面の襖絵については「皇室の至宝 御物 障屏・調度Ⅲ」にも載っていないので、部屋のイメージを崩さないため敢えて自作を貼り付けました。上の間の小襖(違い棚の方)に”花折枝に蝶”とあるので北面も蝶であしらってみましたが蝶がデカすぎた! どうかサラっと流し目してください 笑。

2019-07-16-長橋局の上之間&床の間を見る
正面から見た床の間と違い棚。

格式あります。 違い棚の上には袋戸棚が付いてます。小さいですけど華やかな絵が描かれています。壁面には”花折枝に蝶”が描かれています。違い棚の下の床は黒漆で塗られています。右の床の間は壁面に「牡丹に鶴」が描かれています。上品で艶やかなタッチですね。”鶴は千年”というぐらいですから縁起がいい、牡丹も中国においては富貴の象徴とされ日本でも室町以降とても人気ある花鳥画ジャンルになりました。


2019-07-16-長橋局の床の間を斜めから見る
床の間を斜めから見たCG。一応、ちゃんと立体的に作りましたよ、と、証明する為の角度です、違い棚には壺も置けますよ 笑。床の間の左側面の絵は構図上無理なんで無地にしました。でも、全体にそれなりに雰囲気は出ていると思います。


2019-07-16-長橋局の上之間と御幸廊下
長橋局上の間&床の間と右は御幸ろうか(二筋廊下)。えぇ?障子が紙一重? メモリー節約の為一枚表示にしました。


2019-07-16-長橋局上之間の牡丹二鶴の襖絵
上の間から中の間の仕切り襖です。ここも大きな牡丹に鶴が描かれています。迫力あって端正、素晴らしいですね。絵師は三谷五峰という人。右の蝶はさらにデカくなっている・・・(恥ずかしい)。左の明り障子には御簾もあります。女官の部屋ですからね。女性らしい心遣いも大事です。欄間は細い格子欄間にしました。現場は見たことないですが御所はこのタイプが多い印象なのでこうしました。


2019-07-16-長橋局の上之間から三の間を斜めに見る
御幸廊下との中庭から長橋局の間を見ます。明り障子が薄いのは先刻ご承知の程を。厚みをもたせい、と言われればいつでもできますよ 笑。


2019-07-16-長橋局上之間から参内殿を見る-襖なし
長橋局上の間から通しみた参内殿。すべて襖を取っ払ったので広~いです。最初に載せたから見た・・・の逆バージョンです。


2019-07-16-長橋局の上之間から三の間を見る
長橋局上の間から下の間を見る。アレ?いつのまにか参内殿を隔てる襖が現れている。どうしたのか? と自由に表現できるのが3Dの良い所です 笑。


2019-07-16-長橋局下之間の岡二躑躅の襖絵
その長橋局下の間の襖絵「岡に躑躅(ツツジ)」。林欄雅作。

安政度の造営にかかわった画家たちを役者見立て風に品評した『平安画家評判記』によると、蘭雅は「上上五百両」とされ「此お人は何をなされても綺麗に能出来升御出精あれは當季人少き折柄随分花方になられませふ」との評価を得ています。意味が分かりません・・・。躑躅の淡い赤の花弁が地味だけど落ち着いた風情を醸し出します。


2019-7-16-参内殿東御縁座敷
参内殿の東御縁座敷を見ます。奥には杉戸があります。


2019-7-16-参内殿東御縁座敷の白梅音呼と左の二筋廊下側の柏二鵥カケスの杉戸絵
御幸廊下へと通じる杉戸絵「白梅音呼」です。鈴木百年筆

左の杉戸は「柏に鵥」。柏は”かしわ”、鳥に判で鵥、カケスのことです。読めんなぁ。この杉戸も御幸廊下へ通じます。同廊下は二筋廊下ですから杉戸もそれぞれあるんですね。白梅音呼は、花の開き始めた白梅と、樹幹に緑色の羽と青紫の体毛のインコを配した、珍しい構図です。現実にはまずありえない光景。なので珍しい画題とのこと。


そして、長い?長橋局の見学を終え参内殿へ戻ってきました。
参内殿に戻りました

以上、お粗末さまでした。

次回は残り渡り廊下群を作って様々なアングルから俯瞰した京都御所をお見せする予定です。但し、帝のお常御殿から皇后宮御常御殿へ繋がる渡り廊ですけど、出発点の帝側御殿が御常御殿の西にある
申口という家臣、女官の詰める付属建物とも被っているため”申口”の本体建屋を作るかもしれません。すると、また遅れるかもです。その辺は色々と調整する予定です。

それではお付き合いありがとうございます。次回もよろしく。


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No Subject * by 京一朗
五反田猫様 いつもコメントありがとうございます。諸大夫の間ですけど、指図を見たら天井は猿頬天井と書いてありました。やはり部屋に応じて天井も差別化していたんだな、と思った次第です。

高麗縁の蘊蓄ありがとうございます。
>親王・摂関・大臣は大紋高麗縁、公卿は小紋高麗縁です。
う~ん、覚えても直ぐ忘れそうです 笑。
そのときは八条様のHPへ飛んでいきます。

繧繝縁も難しい字ですね。でも、今後の3d作りに活かしたいと思います。
色々と教えて頂き感謝しています。

車寄 * by 五反田猫
資料を見直すと以前拝観したのは「御車寄」とあり、諸大夫の間に続いているもので、ここでお書きのものとは違うかもしれません。

例により以下は、八條さんのページを参照です。
高麗縁には紋の大小があり。
親王・摂関・大臣は大紋高麗縁、公卿は小紋高麗縁です。

最上位の繧繝縁は最も格の高い畳縁で、天皇・三宮(皇后・皇太后・太皇太后)・上皇が用いました。親王や高僧、摂関や将軍などの臣下でも、「准后」(准三宮)という称号が与えられると三宮扱いとあります。


No Subject * by 京一朗
五反田猫 コメントありがとうございます。  

車寄せを拝見されたことがあるのですか?一度、見てみたいと思ってます。参内殿の前、西側一帯は幕末の頃の御所でも空いている感じです。何か理由でもあるのかな?と思ってます。
高麗縁はわかるのですが、どこまでの身分がそこまでなのか?今一、わからないとこがあります。

参内殿 * by 五反田猫
いつも素晴らしい資料を有難うございます。
参内殿は現存していますが車寄せを除き、拝観は出来ませんよね。(最近は知らないのですが)
こうして3dで拝見出来ると、大変 参考になります。 障壁画を入れた大変結構な景色です。
内部の畳は、しっかりと高麗縁で、細かい所まで行き届いております。

コメント






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No Subject

五反田猫様 いつもコメントありがとうございます。諸大夫の間ですけど、指図を見たら天井は猿頬天井と書いてありました。やはり部屋に応じて天井も差別化していたんだな、と思った次第です。

高麗縁の蘊蓄ありがとうございます。
>親王・摂関・大臣は大紋高麗縁、公卿は小紋高麗縁です。
う~ん、覚えても直ぐ忘れそうです 笑。
そのときは八条様のHPへ飛んでいきます。

繧繝縁も難しい字ですね。でも、今後の3d作りに活かしたいと思います。
色々と教えて頂き感謝しています。
2019-07-26 * 京一朗 [ 編集 ]

車寄

資料を見直すと以前拝観したのは「御車寄」とあり、諸大夫の間に続いているもので、ここでお書きのものとは違うかもしれません。

例により以下は、八條さんのページを参照です。
高麗縁には紋の大小があり。
親王・摂関・大臣は大紋高麗縁、公卿は小紋高麗縁です。

最上位の繧繝縁は最も格の高い畳縁で、天皇・三宮(皇后・皇太后・太皇太后)・上皇が用いました。親王や高僧、摂関や将軍などの臣下でも、「准后」(准三宮)という称号が与えられると三宮扱いとあります。

2019-07-25 * 五反田猫 [ 編集 ]

No Subject

五反田猫 コメントありがとうございます。  

車寄せを拝見されたことがあるのですか?一度、見てみたいと思ってます。参内殿の前、西側一帯は幕末の頃の御所でも空いている感じです。何か理由でもあるのかな?と思ってます。
高麗縁はわかるのですが、どこまでの身分がそこまでなのか?今一、わからないとこがあります。
2019-07-24 * 京一朗 [ 編集 ]

参内殿

いつも素晴らしい資料を有難うございます。
参内殿は現存していますが車寄せを除き、拝観は出来ませんよね。(最近は知らないのですが)
こうして3dで拝見出来ると、大変 参考になります。 障壁画を入れた大変結構な景色です。
内部の畳は、しっかりと高麗縁で、細かい所まで行き届いております。
2019-07-23 * 五反田猫 [ 編集 ]