3D京都

いにしえの京都を3Dで再現します。短歌、史話、公家さんも書きます。

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手に入りました!

今、京都御所の紫宸殿南庭の正門・承明門の3Dを作っています。

承明門
承明門。

御所を見学された事がある方だったら紫宸殿前の朱塗りの回廊もみられたと思います。その正面南の門が承明門です。朱塗りが鮮やかですね。御所の朱塗りはまた格別です。3Dのテクスチャに最適です。白い漆喰も継ぎ目なく続いているし、ホント、御所の建物・庭は職人さんたちの魂がこもっていて素晴らしいです。

承明門ですけど、木子文庫のなかの図面を参考にしてますが寸法・縮尺等が図面によってサイズが異なるので寸法合わせから始めてます。また、図面の年代も今残る安政度のもあれば、その前、宝永度かな?とかで、現在の御所とは異なる部分もあって、これも写真と照合したりしてます。切妻の屋根だから簡単にできる、とタカをくくってましたが、さにあらず、準備段階で手間かかってます。和風建築は寸法も確認せず3D制作すると往々にアンバランスで不格好なものになってしまいます。

西洋建築など複雑で復元するのも難しいと思われがちですが、私が思うに、基本、あちらの建物は屋根も円だろうが多角形だろうが玉ねぎ型、あるいは切妻でも基本、左右対象で直線が主流ですので慣れれば作りやすいのかなと思います。装飾等は別ですが。和風建築は屋根の占める容積が大きく、かつ、非対称な反りとかあって、意外と曲線造りが難しい感じがしますね。

さて、タイトルの「手に入りました!」ですけど、
断るまでもなく本です。というか修理工事報告書です。

書名は「重要文化財 冷泉家住宅座敷及び台所ほか3棟修理工事報告書」。



冷泉家住宅修理工事報告書表紙


現在、唯一残る公家屋敷「冷泉家住宅」の修理工事が完了した平成13年に京都府教育委員会により刊行されたものです。10年近く前から欲しいと思って古書店のサイトで探したり、在庫が出たら連絡くれるよう頼んだりしてきましたが、まったく古本屋さんの店頭に出ることはありませんでした。この類の文化財の修理工事報告書は営利を目的としたものではなく、あくまで公的機関が主導する修理完了の報告書です。ですから元々の発行部数が少なく1~300部のレベルかと。しかも希少な公家住宅の報告書ですし刊行年代も17年前と修理工事報告書としては比較的新しい部類に属します。なのでずっと待ち望んでいましたが、先日、日頃チェックしているサイトで見つけ速攻で購入、ようやく手に入れました。何と言うか感慨無量、うれしいですよ 笑。

冷泉家住宅修理工事報告書写真
玄関式台の修理前と修理後の写真。

五年前にブログを始め最初に手掛けた公家屋敷の3Dが冷泉家でしたからね。いわば公家町の再現を標榜する3D京都なら冷泉家の修理工事報告書を持っていて当たり前だろう・・・と言われるレベルと、自分は思いこんでいたのでホント良かった。5年前に再現した際は、同修理工事報告書の一部コピーを使って作りました。

冷泉家住宅指図
修理工事報告書に載っている冷泉家住宅指図

コピーするにしても工学部系の大学や県図書館にはなく、京都市でも一か所だけ所蔵する図書館があって、そこへ行ってやっとコピーできました。それほど私のなかでは希少本でした。

※勘違いでした。一か所の図書館しかなかっのは冷泉家住宅ではなく下段で紹介する「京都御所渡廊及び付属建物復元工事報告書」の方でした。

その某図書館でコピーしたときのこと(多少、愚痴になるので某としておきます。ちなみに最近、名称が変わった京都学・歴彩館ではないですよ)ですけど、本の複写って原則全ページの半分を越えないこと、営利目的に使わない等の縛りがありますよね。だから、コピーする際は申込書にどこのページを複写するかどうかの記入欄もあります。しかし、現実問題、初めて目にする本のどこからどこまでコピーしていいかどうか直ぐには判断できませんよね。だから、複写箇所はある程度大雑把に書きます。また、名前と住所を書くだけでいいケースが多く、後は本人の良識に任せる、というのが実情だと思います。図書館の人もそこまで管理などしておれないですからね。

ところがその某図書館の窓口の人、超生真面目で、申込書記載のページと実際の報告書のページ数との照合とか細かくチェックされ、矛盾点を指摘され・・・書き直し・・・、結局、申込書を提出し直すのに1時間かかりました。閉館時間も迫っていたし焦りましたよ。京都市民の人と初めてもった接点、それが、この図書館の出来事でした。爾来、憧れの京都とリアルな京都との乖離が生じました。まぁ、私も適当人間だったからなんですけどね。

そんなこともあった修理工事報告書ですから、私事で恐縮ですが記事にしました。

これは余談になりますが、先程から書いている建築文化財系の修理工事報告書ですけど、戦前から数えると全国で2000種ほど刊行されているそうです。一番所蔵しているのは国会図書館ですけど、二番目に多いのはどこだと思われます?
他でもない私が住んでいる愛知県の名古屋大学工学部図書館です。ここには1400冊ほどの同報告書があります。かなり収集されていますよね。でも、そこにも冷泉家住宅の修理工事報告書はありませんでしたけどね。

※訂正 これも勘違いでした。名古屋大学工学部図書館にもなかったのは下段で紹介する「京都御所渡廊及び付属建物復元工事報告書」の方でした。

3D化する際、意外と少ない情報がいわゆるその他大勢の付属建物の情報です。よくある文化財指定の本堂や本殿などの社寺の中心的建物の図面とかは、「日本建築史基礎資料集成」とかの書籍をみれば出ていますが、それ以外の、たとえば台所や風呂とか奥方の住むエリア、女中衆が寝泊まりする長局、外の便所のサイズ。家臣の供待スペース、長屋門、長屋、屋敷内を分ける塀や中門、そして様々に使った蔵のサイズとか、一言でいえば、昔の付属建物がどんな形をしていて寸法的にどれほどの広さだったか、そういう細部の情報が少ない訳ですよね。

で、その辺を知るには、やはり修理工事報告書が必要で、そのため同報告書関連も収集しました。正直言うと、途中からは収集そのものが楽しく・・・目的になってしまった面も無きにしも非ず・・・です。元々部数が少ない上に価値のある報告書はさらに希少性が高いですから・・・、で、つい、私も少し手をだした口でした。今は反省してます。というか、長年の夢「冷泉家住宅座敷及び台所ほか3棟修理工事報告書」が手に入りましたから、もう満足です。これからはしっかり貯金します。

実は冷泉家住宅の報告書と共に欲しかった報告書がもう一冊あります。

「京都御所渡廊及び付属建物復元工事報告書」(宮内庁京都事務所刊行)。

京都御所復原工事報告書表紙



こちらは幸い昨年手に入れることが出来ました。この本もなかなか店頭には出ず探していました。
この報告書には通常は知らない京都御所の渡り廊下や台所、女官詰所等の図面情報が含まれ3D化する上でも必携の書籍です。私にとっては超貴重本です。

京都御所廊下図面
京都御所の渡り廊下の復元図面。

京都御所復原工事報告書写真
御学問所の修復前と修復後の写真。


以上、冷泉家住宅の修理工事報告書入手報告の記事でした。


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