FC2ブログ

3D京都

いにしえの京都を3Dで再現します。短歌、史話、公家さんも書きます。

Entries

京都御所最大の建物・御常御殿を作ってみました。

お盆を挟んで暑い日差しも少し和らいだ感じですが、読者のみなさんはいかがお過ごしですか。
そういえば、北海道の大雪山系黒岳では早くも初冠雪。何でも、8月の初雪の観測は2003年以来のことで、1974年からの統計では最も早いとのこと!。この天界と下界の違いは何なんでしょう?皆さんも暑さ寒さ?対策に気を付けてください。

さて、前回の記事で御学問所の完成に伴い3DCGも二回に分けて掲載しようと思っていましたが、御所最大の建物の御常御殿を作ってるうちに載せるタイミングを失せてしまいました。何事も興味を持つとそれしか頭に入らないタイプで、もう、日常はスッポリ抜けています。「初盆の提灯代いくらにすればいい?、えっ、そんなこと任せるよ」。そんな感じ・・・・。

京都御所というと正殿である紫宸殿が最大の規模と思われがちですが実は天皇が日常住まわれる御常御殿の方が大きい。その根拠は? と聞かれると自前には寸法図などないのでハッキリわかりません。部屋数が15もあるので大きいことは確かです。

お常御殿の位置を再確認します。


御所作成図

赤く囲ったところが今回完成のお常御殿と御三間、渡り廊です。ここの渡り廊は現在は撤去されています。御所参観の折は常御殿を見学後、ここを抜けて北西にある清所門を出ていくのですね。3Dで作成する過程でバランスを取る為そうしました。

上から見た状態ですと何か紫宸殿の屋根が大きい気が・・・するんですけど、どうなんでしょう。御殿のサイズは昔の不揃いな尺貫法や身舎(母屋)以外の廂部をどこまで含むかによっても大きさが変わってきます。御所の場合だと、どうも隣接する御三間御殿の廂と御常御殿の境界が曖昧な面もあって、それがどうも御常御殿を最大規模にしている感じです。

ちなみに御所内には沢山の上・中・下段の三間からなる広間・座敷がありますが、どのように使い分けてきたのでしょう?まぁ、差別化・序列という事なんでしょうけど、当のお公家さんたちも「今日はどこぞ?」と迷ったかも 笑。

常御殿とともに、読者の方の「庭も見てみたい」とのコメントも頂いたので、細やかですが庭周りと御所内を仕切る長押塀・塀重門も作ってみました。御殿の襖障子や杉戸も張り付けたので結構手間かけました。でも、やっただけ絵になったかな、と自己満足してます。また、御常御殿の一部、南三間も内部を作り込んでみました。

普段、御所参観は外からしか御殿を眺めることはできませんが、
今回は一部、御殿の中を見たり、御殿から外の庭を眺めたり、と、3Dならではの試みもしてみました。実際に上がったことはないので間違いも多いと思いますが、そこは、イメージの世界。まずは見て楽しんで頂ければ宜しいかと思います。


では、まず御所の全景からアップします。(CG等はクリックすると大きくなります)

御所全景
御所の全景です。常御殿と庭園・池が加わったことで前より華やかになったかな。


御所を東から見る
御所を東から見る。

何か源氏物語の六条院に似てきた?

もう一枚、南から小御所・学問所・御常御殿が雁行する様を見てみます。

御所の小御所・学問所・常御殿&庭を眺める

手前には長押塀と塀重門を加えました。少し引き締まった感じかな。ここに塀があるのは公的な儀式を行う紫宸殿と付属屋・回廊とを分けるためにあるのだと思います。あっ、反り橋も添えましたよ。

次にお常御殿周りへと行きます。

その前に例によって同御殿の間取り図をアップします。

常御殿平面図
常御殿平面図。(中央公論美術出版刊「京都御所(新訂)」、藤岡通夫著)から引用。

これを見ると改めて部屋数の多さに驚きます。ちょうど中心には帝の寝所があります。御殿外からはどの方角からも直接侵入できません。必ず廂部及び幾つもの部屋を通らないと入れません。警護がとても厳重だったんですね。帝が就寝中は女官も控えていますが宿直の公家も侍っています。ただし、男子禁制ですから御殿そばの別の詰所ですが。

公家というと筆と紙しか持ったことがない、という風に軟弱に思われがちですが、いや、そんなことはない。刀剣をしっかり持ち警護してます。そもそも宿直自体が寝ずの警護勤務ですからね。だから公家たちも剣術や馬術、弓や鷹狩などの修練を小さい頃から習ってきました。

あの幕末の御所朔平門外の猿ヶ辻で公家の姉小路公知が三人の刺客に襲われるという、俗に「猿が辻の変」がおきた際、扇を振い、刀を奪うなどして奮戦し撃退しましたが深手を負い翌日には亡くなりました。このときの従者はいの一番に逃げたとか。これも公家の鍛錬の一面です。みんな・・・とは言いませんが。それにしても公知が暗殺されたのはとても残念です。岩倉具視と並ぶ維新の立役者になっただろと思ってます。

殿内の間取りを幾つか紹介する前に四方から見た御常御殿の外観をアップしますね。

常御殿南正面全景
常御殿の南正面です。


常御殿南正面アップ
さらにズームアップ。

ここには上段、中段、下段の三間があり帝の日常生活の中でも年賀の祝いなどの行われた表向きの間です。

せっかくですから内部を幾つか。

東正面に帳台構えと剣璽の間を見る
東正面に三間と帳台構えを見る。帳台構えの裏には剣璽の間があります。

剣璽(けんじ)とは、三種の神器のうち、天叢雲剣と八尺瓊勾玉を併せた呼称のことを言い、ここ、剣璽の間に奉安されていました。

各段を見ますと、仕切りの襖がありません。しかも内側に二列づつ柱が立っています。ここに必要?とも思いますが、これが一つの特徴ですね。地震対策かも。

帳台構えと剣璽の間のアップ
帳台構えをズームアップ。


帳台構えと剣璽の間のさらにアップ
さらにズーム。

台構えの写真は、朝日新聞出版刊「京都の御所と離宮」(写真:三好和義)から引用させて頂きました。


上、中、下段とも各十八帖の広さがあります。上段の天井は二重折り上げ天井。組子を用いていて白木の上品さがあります。帝の指示だったそうです。二条城のような金箔と漆、彫金、絵模様を描いた豪華さより清らかさがあります。これも天皇家の伝来の心得なのでしょうね。

中段は普通に一重の折り上げ天井。下段はなぜか天井なしの化粧屋根裏。バランス悪いと思うのですが、平安の古性に拘ったかも。

御上段の折り上げ二重天井
御上段の折り上げ二重天井。素木の組子様式です。

格子欄間と折り上げ天井
透かし格子欄間と中段の折り上げ天井です。

今度は上段から中・下段を見てみましょう。

御上段から下段を見る
御上段から下段を見る。

下段奥の襖障子は高宗夢賚良粥図です。

もう一枚、外から斜めに見た御三間を見てみます。

常御殿三間を斜めから見る


殿内の紹介ですが、
そもそも、御常御殿は基本、男子禁制。上述のごとく宿直の公家がここで警護した訳ではありません。御殿外の詰所にいました。ここで天皇に奉仕したのは稚児と年老いた何人かの男性を例外としてほとんどは女官、女儒(下働きの侍女)といった女性たちでした。
稚児は公家の中から選ばれた少年で、幼少から元服まで女官の長・大典侍に預けられ天皇の側近を務めました。ハッキリ言えば、眉目秀麗な少年が選ばれ女官たちのアイドル、遊び相手みたいなものです。

一方の老男性は向東侍と呼ばれ御殿北西の申口之間に控えていたので「男居(おとこずえ)」と呼んでいたそうです。それにしても老体の男にどのような用向き、需要があったのだろうか?伝令?受付?引継ぎ役?聞き役?。ハッキリ言えるのは警護役ではないな。

先ほども書いた帝の御寝之間、十八帖あります。四方の襖には虎の絵が描かれています。まさに帝を守る猛虎です。ここは二重床になっていて中には籾殻があったそうです。今で言う断熱効果があります。また地面には木炭を撒き湿気除けとしたそうです。また、賊から防ぐ意味合いもあったと思います。天井にはネズミの足音が聞こえない工夫もしていたとか。ここは、まったく陽の差さない暗い部屋でしたから帝もさぞ寝心地良くなかったのではとお察しいたします。
御寝所の東隣に御清間があります。天皇が宮中祭祀に行かれる前に身を潔斎し整える神聖な場所です。

南三間の東隣には南から和歌を伝授したりした帝の書斎である御小座敷が二間、私的な寛ぎの居間が二の間、三の間、次の間と北から西に折れ並んでいます。このうち、二の間は十八帖あり帝が食事される所。また、ごく近親の人との対面にも使われた。

御殿西の二間ある申口之間は帝に仕える女官が控えていた部屋でどちらも二十四、三十帖と広い。

以上、ざっと間取りについて簡単に説明しました。普段、帝がどのように御常御殿を使われていたのか、その一端がわかるかと思います。

ところで、上述した老男性の向東侍ですけど、女官と同じ御殿北西の申口之間に控えていました。一体何なのでしょう?女官たちにこき使われていたのかな?。老人と言っても一応男ですし中には元気な爺もいると思うんですけど・・・やっぱり、用は何なの? そうそう稚児たちの控え間はどこ?。どなたか、有職故実の先生教えてください 笑。

御常御殿を一通り説明したので、他のCGとかもアップします。また、その後、南三間の襖障子や杉戸のCGもアップしますね。順不同です。

常御殿北正面全景
御常御殿の北正面です。


常御殿東正面全景
御常御殿の東、妻側から見たもの。


常御殿西正面全景
東とくれば西。西の妻側からの御常御殿です。


常御殿上段から南の庭を見る
御常御殿上段から南の庭を見る。これも、普段、想像できない風景ですよね。庭はちっぽけですけど・・・。


小御所から庭を見る公達
小御所から庭と苑池を見る。

例によって、いつもの公達も登場。幕末、消えゆく公家の世界を惜しみ偲んでいるのだろうか・・・あぁ・・・無情なり。

御学問所から庭を見る
御学問所からの庭と苑池を眺めます。


常御殿東廂座敷廊下
御常御殿の東廂小座敷廊です。


西廂座敷廊下
御常御殿の西廂小座敷廊です。

女官好み? 御所の廂座敷の畳の縁には桃、紅系が多いです。

常御殿南廂
御常御殿の南廂です。ここだけ板敷きです。


次には襖障子や杉戸の絵を載せたいと思います。

ちなみに、今回の襖障子等の写真図版の多くは、
2007年に京都国立博物館で開催された新春特別展覧会に合わせ出版された「京都御所障壁画 御常御殿 御学問所」
を出典としています。さすが展覧会用とは言え絵の輝きが光っています。撮影技術の違いですかね。

また、毎日新聞刊(宮内庁協力)の「御物 皇室の至宝 障屏・調度」からも引用させて頂いてますが、同書の巻末に御常御殿の障壁画の画題と画家一覧が載っていますので、まず、それからアップした方がいいかな。

御常御殿襖障子&杉戸位置図
御常御殿の襖障子&杉戸の位置図。


室番号と常御殿襖障子&杉戸の画題・画家一覧
各間の障屏番号と襖障子&杉戸の画題・画家一覧。

以上を参考にしてCGをアップしますので何度かにらめっこしてみてください 笑。

御常御殿上段の堯任賢図治図
御常御殿上段の堯任賢図治図です。


御常御殿中段の大兎戒酒防微図
御常御殿中段の大兎戒酒防微図です。


御常御殿下段の高宗夢賚良粥図-2
御常御殿下段の高宗夢賚良粥図です。


西廂座敷廊下南面の杉戸・柳に鷺図を見るのアップ
西廂座敷廊下南面の杉戸。画題は「柳に鷺図」。


南廂の杉戸・武陵桃源を見る
南廂の杉戸・武陵桃源を見る。


常御殿西廂北杉戸・檜に蝉
御常御殿西廂北の杉戸。お題は「檜に蝉」。蝉見えるかな・・・・。


西廂座敷廊下南面の杉戸・柳に鷺図を見るのアップ
西廂座敷廊下南面の杉戸・柳に鷺図のアップ。



御三間の杉戸・雪中小鳥図と常御殿南を見る
御三間の杉戸・雪中小鳥図と御常御殿南を見る。

御三間御殿は御常御殿の西に接続し付属屋御殿。東から西へ十畳の上段、十二畳の中段、同じく下段が続く。ここでは、二月十五日の涅槃会、六月の茅の輪、七月の七夕、盂蘭盆など、内向きの行事が行われました。

御三間への続く杉戸・西王母
御三間への続く杉戸・西王母。




コメントの書き込み&閲覧はこちらから


ランキングアップします。ポチっと励ましの一押しお願いします!


にほんブログ村 ポエムブログ 短歌へ
にほんブログ村

※ お問合せのメールフォームは左サイドバーにあります。お気軽にどうぞ。

※ ブログに掲載する3DCG、加工済画像等の無断転載は固くお断りします。
関連記事
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

トラックバック

トラックバック URL
»»この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

左サイドMenu

ブログ内検索

短歌も詠います

短歌一覧はバナーを押して下さい。

タグ一覧


全記事(数)表示

全タイトルを表示

※表示しきれない記事タイトルは「前ページ」で見れます。

プロフィール

梅村京一朗

Author:梅村京一朗
(けいいちろう)、
寝つきの悪い夜は、いにしえの京を想いながら寝ます。すると鼓の音のように京の日々歳々が甦ってきます。・・・浅き夢みし男のブログ語りです。

お問合せメール

名前:
メール:
件名:
本文:

最新コメント

<>+-

ブロとも申請フォーム

アンケート

今日の言葉

京都お役立ち情報

短歌ブログランキング

マーケット情報

QRコード

QR

ブロぐるめLite


写真提供 ホットペッパー.jp
Powered byリクルートWEBサービス
developed by 遊ぶブログ

右サイドメニュー

最新記事

カテゴリー

openclose

人気ページランキング

開始日:2016/11/6

ブログパーツ

キーワード別記事リスト

月別アーカイブ

カレンダー

08 | 2018/09 | 10
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -

天気予報


-天気予報コム- -FC2-

検索・買物に利用して下さい

日本史ブログランキング

FC2カウンター

ブログ開設より2017年12月25日までのトータルアクセス数は11万近くを数えました。お礼申し上げます。リセットされた状況は下段に説明しています。

泣く‼ カウンターがリセット!

SSL(暗号化)に対応するためカウンターを一旦削除。再設定したらリセットされ「0」に・・・大泣き‼

2017/12/25日までのトータルアクセス数(一人一日一回のみカウント)は11万近くありました。最近はSSL等の影響でfc2のカウント数と実際の解析によるアクセス数の乖離が大きくなっています。日によりfc2の2~3倍が正味カウント数となっています。2018年を迎えたら、さらに2.5~6倍もの開きになっています。キーワード検索も表示ゼロで、どんな記事、内容に関心があるのか?こちらでも把握できていません。良い記事を書くための参考にしたいのですが・・・残念です。とりあえず現況をお伝えしました。