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3D京都

いにしえの京都を3Dで再現します。短歌、史話、公家さんも書きます。

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空港物語

旅客機は離着陸するときいつも緊張する。最近は精々乗るとしたら国内線かな。
空港は出発と到着を告げるアナウンスが絶えまなく続く。旅する人、家族、ビジネスといろんな形にせよリアルな人間の行動と生の声が交錯する。

そういえば、10年程前、空港で大失態をしたことがある。
受付カウンターでパスポートを提示したら何とパンチ穴が空いていた!期限済のパスポートだった。もう出発1時間半前ほどだったろうか途方にくれた。今回は諦めて帰るしかないと思ったところ、仲間からまだ間に合うかもしれないと言ってくれたので、普段、利用している赤帽のB氏に緊急電話したら、「じぁ、奥さんからパスポートあずかって直ぐそちらへ飛んでいきますよ!」と言ってくれ、私は藁にも縋る思いで待っていた。

行き先は中国の遼寧省で、工場誘致の視察を兼ねていた。お世話になっている方からのお誘いなのでもし乗れなかったら恥をお掛けしてしまう、と内心、ヒヤヒヤしていた。

そしたらギリギリ間に合って、空港の女性スタッフから走って後に付いて来てください!と言われ、必死になって後を追った。機内に何とか着いたら出発10分遅れだった・・・。

そんな私でも待っていてくれた航空会社、機内のスタッフ、乗客の方に「ご迷惑をお掛けしました」と深々頭を下げるしかなかった。以来、パスポートは念入りに確認するようになった。

ホント私はたまにポカをする人間で、この前も車を購入したとき、確か白のボディーカラーを指定していたはずが納車当日、眼の前に見たのは「シルバーメタリック」だった!。えっ?何で?。とディーラーの担当マンに聞いたら「シルバーを指定されましたよ。契約書にもちゃんと書いてありますよ」と言われ、これも、ちょっと途方にくれた。パスポート程ではないけど。

どうも私の早合点で白とシルバーを言い間違えたらしい。もう間に合わないし、自分の落ち度なので今更ディラーに「換えてください」とも言えず。一言、営業氏に「これからは白は白、銀は銀と間違えないよう日本語で言ってよね」と念押ししたけど、きっと営業氏は「アホな客だなぁ」と思ったに違いない。

後で、知人に愚痴ったら、知人曰く「ほう、それは新しいボディーカラーだね」と返ってきた。えっ新しい色?私が怪訝な顔をしたら彼はニヤっと「シロバー」だよ、とこれまた冷やかされた・・・。

でも、乗って街に繰り出してみると白の同車種がダサク見えるではないか。この車にはシルバーメタリック一番似合う。とホントそう思った。結果オーライである。

しかし、いつも結果オーライとは限らない。
何事も気を付けて慎重に事を運ぼうと、今は、反省している。どこまで大丈夫か、わからないけど・・・・。

あぁ、気分を変えよう。

空港の物語を短歌で詠うことにした。

★ マスカレード(仮面舞踏会) そうかもしれない 空港の 世界中が 集まっている 

羽田空港

小さい頃、黒人さんを初めて見て思わずサインをねだったことがある。きっと黒人さんも驚いたことだろう。今、思うと。

空港は様々な人種と民族のひとたちが、思い思いの衣装を着てロビーに並んでいる。空港だから、それなりにみんな普段とは違うお洒落な服装が多い。しかもカラフル。まるで意識しないコスプレを見るかのようだ。空港はハブとなって世界中の人々を繋いでいる。

★ ディパーチャーを 告げる空港の アナウンス 背中合わせに また一人発ってゆく

空港ロビー

お互い見知らぬ同士がロビーの椅子に座っている。出発のアナウンスに次々と人が席を離れ旅立ってゆく。観光なのか、里帰りなのか、ビジネスマンか、そんな詮索はしない。ただ、無事に目的地まで着くことを心のなかで囁いていたりする。

バスに乗っても、鉄道に乗っても、そんなことは思わない。機体が離陸する一瞬、誰しも緊張感を覚える。そんなとき運命を共にする連帯感が機内に生まれる。そう、群れなす鳥のように。

★ 空港の オイルの匂う 展望デッキ 見送る手が 風に乗っている 

      ※ 9/16手直し 見送る振る手 → 見送る手が


展望デッキ

たとえ視界に見えなくても手を振り無事な空の旅を願う展望デッキ。家族や友人、同僚、恋人たちの振る手がいつの間にか乗客みんなに手を振っていた。遠ざかるほど見送る人々の思いは機体に注がれていた。

いつも吹いているデッキの風。幾千の見送る振り手を気流のように支えている。


★ 終便の フライトの発つ ウィングの 還れない国 戻れない人のいる


夜の機影

映画、ターミナルのようなことが実際にあるのだろうか?政治、思想、迫害から逃れる亡命者、祖国の内戦で帰れない人。ときに犯罪者の影も・・・。空港にはいろんな事情を抱えた人がいるだろう。夜になっても、最終便が飛び立っても、ロビーの片隅に居残ざるを得ない人たち。やがて睡魔が訪れて朝、目覚めると一枚の毛布が掛けられていた・・・現実のターミナルにそんな一場面はあるのだろうか・・・。
夜の空港ターミナル



★ 空港で 見かけた藍染は 雲南の ナシ族の碧 玉龍雪山の水


麗江の藍染


玉龍雪山2
玉龍雪山。


これも昔の話になってしまう。中国の雄大な景色と歴史と文化に憧れ、中国を旅したとき、現実とのギャップに驚き、旅仲間から聞いた雲南に行ったことがある。当時の雲南は個人旅行者のビザ延長が中国でもっともし易く、若い旅人たちがみんな集まっていた。省都の昆明には目もくれず、直ぐ北に向かい大理の城門も抜け、少数民族・ナシ族の天地、「麗江」まで行った。ナシ族はトンパ文字といって独自の象形文字を持ち、現在も宗教行事には使用されているという。原始仏教にもっとも近いとされ世界唯一の生きた象形文字としてユネスコの世界の記憶にも登録されている。そのトンパ文字と壁画が残っている郊外の白沙村にも行ってみた。ここから望む玉龍雪山は夢のように美しかった。2千メートルを超える麗江からそのまま6千m級の雪山まで前衛峰もなくそそり立つ景色は中国広しといえども少ないと思う。

ただ、白沙村のハチの多さには参った。よく刺されなかったと思う。
帰る途中、藍染で知られる村があるというので寄ってみた。大きな樽に紺碧に染まった水が入っていた。そばには染め上げたばかりの藍染の布が干してあった。

想像してたよりも濃い藍色と白い文様の組み合わせがとても美しかった。日本の藍染よりいいと思った。持ち帰ったら売れるかも、と俗な想いも湧いたが、事実、帰国してからデパートで売っていた。

麗江の藍染の美しさは、きっと玉龍雪山の透き通った水のおかげだと私には思われた。

その麗江と玉龍雪山のパンフレットが台湾便のロビーに置いてあった。


★ 君の眼に 映る翼は メタルブルー  誘った私の 誤算だった

銀翼

メタルブルーなる色は存在しない。ただ、光の屈折で青く研ぎ澄まされた色を発光するときがある。
冷徹でメタリックで金属の人を寄せ付けない硬さがある。

君は空に旅立つ銀翼を眺め、その表情はメタルブルーに似ていた。視界の先に私は入っていなかった。何を思い耽っていたのだろう。暫くして君は僕のとなりに座った。交わす言葉も少なかった。

空港に来て、私はあなたの過去を思い出させてしまったらしい。どんな過去かは知らない。ただ、空港には二つの言葉しか思い当たらない。それは「出会いと別れ」。


★ 空港の 傍で育った君は いつのまにか 児を連れていた 空を指さしながら

      
※ 2018/9/17 飛行機を見ながら 空を指さしながら 


飛行場の子とフェンス

その空港の傍には小さな公園があって、小さな丘があって、「ここから眺める飛行機が一番美しいのよ」と、会うたびに言っていた。その後、君は会計士になったと聞いた。

久し振り、公園に寄ってみたら、何と君がいた。ただ、昔と違うのは子を連れていたこと。一瞬、ためらい、私はそのまま通り過ぎて行った。我が子に空を指さしながら飛行機を追っている後ろ姿は昔と変わらなかった。



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コメント

NoTitle 

五反田猫 様
コメントありがとうございます。

いつもながら為になるお話を聞かせていただき感謝してます。
古典和歌では外国人のことを「うるまの人」というのですか、知らなかった。さっそくネットで検索してみたら沖縄県の「うるま」市が出てきました。当時、沖縄は外国という認識だったんですかね。すみません、安易な調べ方で・・・。

恋歌なのに「あなたは外国人?知らん顔して無視はないだろう?」みたいな和歌では藤原公任さん、余計、返事くれないのではと、平安の昔ながらちょっと心配です 笑。

アメリカの枕詞が「久方の」天香久山、とは面白い。「お米」ではないのですね 笑。和歌の先生もユーモアある。

こういうのを「蘊蓄がある」という感じがします。
五反田猫さんは正統派の「教養人」だと思いますよ。今の日本には少ない方です。また、いろいろ教えてください。
  • 京一朗 
  • URL 
  • 2018年08月08日 23時31分 
  • [編集]
  • [返信]

NoTitle 

はむこたん様
暑中お見舞い申し上げます。
そしてコメントありがとうございます。

褒めて頂き嬉しいです。励みになります。
他にも幾つかネタがあるのですが、
それ書くと、3D京都の格調??が下がりますのでヤメテおきます 笑。

それはともかくコメントを励みに
これからも精進してまいります。
よろしくお付き合いくださいね。


  • 京一朗 
  • URL 
  • 2018年08月08日 22時50分 
  • [編集]
  • [返信]

空港で失敗の話 

京一朗さん こんにちは

失敗の話、パスポートは全く同じ体験をしました。 色が同じだからつい気づかない時がありますよね。 私の場合は翌日の早朝便にして、何とか間に合わせましたが、とにかく慌てました。それ以来、中を見て必ず期限を確認するようになりました。

空港と外国の歌、有難うございます。
古典和歌の世界でも、外国人を扱ったものがあり「うるまの人」と呼びます。
「おほつかな うるまの島の人なれや わかことのはを しらぬかほなる」(公任:千載集)
これは恋歌で、「まるで外国人のように言葉が通じないのか、知らん顔で全く返事をしてくれない(つれないあなた)」という感じでしょうか。 うるま(雨車)は、諸説ありますが、琉球とも、朝鮮半島ともいわれています。とにかく外国ですね。

ところで、私の和歌の先生が、「今日はアメリカの和歌を詠んだ、アメリカにも枕詞があるのだよ」と仰いました。
答えは「久方の」だそうです。 なるほど天(あめ)ですから。 お後が宜しいようで...
  • 五反田猫 
  • URL 
  • 2018年08月08日 17時55分 
  • [編集]
  • [返信]

NoTitle 

車のカラーのエピソードもサインのも、おもしろすぎです・・・。
思っていたカラーと違う車が納車されたら
ビックリというか、私だったら完全にパニックです。
でも結果オーライなので、笑わせていただきました!(すみません。。。)

3Dも楽しませていただいていますが
写真もどれもステキで、思わず見入ってしまいます。

  • はむこたん 
  • URL 
  • 2018年08月08日 12時57分 
  • [編集]
  • [返信]

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寝つきの悪い夜は、いにしえの京を想いながら寝ます。すると鼓の音のように京の日々歳々が甦ってきます。・・・浅き夢みし男のブログ語りです。

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