3D京都

いにしえの京都を3DCGで再現します。史話、短歌も詠みます。

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公家屋敷の遺構を探す旅 その(七) 二条城本丸御殿

現在、二条城には本丸御殿が存在しますが、これは創建当初の御殿ではなく明治以後、京都御苑にあった桂宮家の御殿を一部移築したものです。御苑にあったころは延べ建坪1358坪、棟数55の大きな建物群でした。幕末、政略結婚で将軍・家茂に降嫁した和宮様が妹君と過ごした場所でもあります。そのころは今出川屋敷と呼ばれました。桂宮家はあの桂離宮を創建した智仁親王の宮家で江戸期3千石を有し、御殿もりっぱで、それゆえ明治になっても残されたのだと思います。往時の今出川屋敷の全体図から載せます。この図は京都市観光協会で出している小冊子「元離宮二条城・本丸御殿」から転載するものです。なお、現在、本丸御殿は耐震構造が心配なため特別公開も含め停止されています。従って室内写真も同小冊子から一部転載させていただきます。
桂宮御殿全体図
ご覧のなかのピンクの部分が二条城本丸に移された部分です。全体から見ると一部なのがよくわかります。
では移築後の間取り図を載せます。
現在の間取り
このなかの黄色い渡り廊下の部分は例によって戦災疎開のため撤去された部分です。もう往時のころの三分の一もないくらいです。ちなみに桂宮家は今出川邸が本邸でしたが他にも下屋敷等複数存在しました。摂家筆頭の近衛家なども五ヶ所ほど別宅を持っていました。江戸期、公家は貧乏だったと、よく言われますが一概にはそうは言えないと思います。近衛家は実質1万石の収入と様々な余禄収入がありました。また他の公家でも、たとえば江戸時代の易者の総元締めは土御門家(安倍晴明の家)で、公認された易者は営業にあたって,免許状を発行してもらうための金を土御門家に納めていました。また吉田家など全国の神社の神主の任免権ももっていてその方面の収入も多くありました。後、冷泉家や三条西家など歌道や香道などの家業で家元となって全国に弟子を有していました。さて、話を戻します。その京都御苑にあった今出川屋敷の門を一枚。
京都御苑の桂御所門
いまでも門と長塀が残されています。では次に本丸御殿の全景を。
本末御殿全景図
これだけでも十分広いですが往時は55の甍がひしめいていたのですからすごいですね。
本丸御殿御常御殿
江戸期にしては珍しく三階建ての御常御殿です。往時は瓦ではなく杮葺か桧皮葺だったと思います。流れるような屋根の曲線が優雅で瀟洒、いかにも公家風ですね。もっと公家屋敷が残っていれば、明治以後の近代和風建築にも、もう少し柔らかさを醸し出していたのでは・・・とも思います。
玄関車寄せ
玄関です。さすがに威厳がありますよね。同じ宮家の遺構でも、閑院宮や有栖川とは一つ格が違う感じ。閑院宮、有栖川もともに幕末・自領1000石、桂は3000千石、現在の米価で年収1億8千万円。千石だと6000万円。その差は大きいのかなぁ・・・すみません下賎な話して。
玄関室内
御殿内に移ります。玄関です。赤い絨毯が敷かれています。周りの襖は白無垢が多いです。きっと今出川にあったころは障壁画で飾られていたと思います。
書院
お人形さんがいますが、ここは三の間から一。二の間を眺めた様子。当時、表対面所といわれ公式の対面が行われたところです。ここも白無垢の襖です。おそらく障壁画が痛み、予算の関係で白無垢に取り替えたんでしょうね。
御常御殿
御常御殿の一の間(松鶴の間)です。12.5畳あります。襖絵は狩野永岳。ここが宮様の御座所にあたります。ですから格式が高いです。
中書院
中書院・四季の間です。鴨居の卍形?が大胆ですね。この中書院は四室から構成されていますが、武家を含め高位の来客の控えの間や歌会などが行われた部屋です。各部屋はすべて襖で仕切られそれぞれに四季の絵が描かれています。また畳を上げると能舞台になるようになっています。
台所
台所です。天井がなく、煙たちも気持ちよく空に昇っていたったでしょうね(笑)。それにしても梁や柱の組が見ごたえありますね。
三階御座所
三階御座所です。襖には唐紙が貼られています。江戸期、公家の屋敷の襖は唐紙で多く飾られていました。ところが幕末、禁門の変の兵火で、その唐紙の版木の多くが失われ、一時期、京都の京唐紙の伝統が途絶える危機に見舞われたそうです。
三階御座所の縁側
三階御座所の縁側から眺める本丸庭園です。やはりというか高みから見る景色は気分いいですね。宮様もきっと景色を堪能されていたことでしょう。今回は、本丸御殿が公開停止になっていることから室内の写真も幾つか載せました。少しでも目の保養になればありがたいです。


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Re: 訂正 二条城画像 

> 二条城の唐紙が張られている部屋の画像、ウェブ媒体で使わせて頂いていいですか

ご丁寧に問い合わせいただいてありがとうございます。
またお返事遅くなってすみません。ここしばらくブログ自体見てませんでした。

今、家の建替え、引越し、今まで住んでいた家の売却準備と
とても忙しく今現在もばたばたしています。

二条城の画像の件ですが、
私自身も他の本からの引用で、
許可云々の立場ではありません。

ただ、歴史的建造物については基本、著作権は発生しないので
其の限りにおいてどうぞ使って使ってください。

引用元の本、作者、出版者など添え書きしたらなお良いと思います。






夷へ立替
  • 梅村京一朗 
  • URL 
  • 2016年02月11日 13時45分 
  • [編集]
  • [返信]

Re: 二条城画像 

> 二条城の唐紙が張られている部屋の画像、ウェブ媒体で使わせて頂いていいですか
  • 梅村京一朗 
  • URL 
  • 2016年02月11日 13時35分 
  • [編集]
  • [返信]

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