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3D京都

いにしえの京都を3Dで再現します。短歌、史話、公家さんも書きます。

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友、遠方より来たる


★ 卒業して いつでも会えると 三十余年 一番の友と 昨日会えり

黒板

大学に入学して最初のオリエンテーションで隣の席が君だった。最初、どんな会話をしたのかもう覚えていない。とにかく意気投合したのだろう。以来、大学時代、一番親しくしていた友と三十幾年振り、昨日、再会した。

彼はとても堅実な考えの持ち主で、卒業したら就職して二十代半ばで結婚して子供を二人以上授かり、平凡だけど幸せな家庭を築く、そんな自分の将来を描いていた。

反対に私は結婚など束縛以外の何ものでもない、西行や吟遊詩人みたいに自由に生きて行く、そんな放浪思想を抱いていた。

まったく考えの違う二人だったが不思議と馬が合うのかいつも一緒だった。たまに私が哲学めいたことを口走ると、「そこが〇〇らしい発想だな。自分には思いも付かないよ」とオダテルのが上手だった。もう、すでにそのときから彼がどんな人生を歩むのか私の眼には見えていた。そして、三十幾年振りに再会して顔もその通りだったので、思わず思い出し笑いしてしまった。

校長先生になって市長とも親しくなって地元の名士になった。絵に描いたような堅実な人生を歩んだ。だから彼のことは全然心配していなかった。

心配された方なのは自分だった。放浪癖があって、就職のことなど頭になく、世界を旅して、気に入った所があったらそこに住もう、などと考え実際に放浪し、北アルプスの麓に住んだ時もあった。でも、あまりにも寒いので今度は暖かいところへ行こう、などと今、考えると、とんでもないバカだった。もし、そんな生き方を続けていたら今頃はこの世にいない、というか野たれ死にしていたと思う。


それが、紆余曲折あって(早い話喰い詰めた、ということです)故郷に戻り、小さな地方紙の記者になって、あれほど束縛はイヤだ!っと言っていた結婚もし、妻の実家の会社経営を手伝う形で入社、それからはずっと地べたに這いつくように生きてきた。会社のことで頭一杯で他に余裕もなかった・・・

彼とは毎年、年賀状だけは交わしていた。彼が何よりも驚いたのは私が会社の社長になったことだ。学生時代の私の言動からすればとても想像できなかっただろうし、私自身も想定していなかった。

記者時代は同僚と飲み行って社への不満や愚痴さえ言っていれば済んだ。妻の実家の会社に入った時、同僚から「逆玉の輿だよなあ」と言われ、私自身も、まんざらでもない気持ちを抱いた。でも、実際に入ってみると中小企業経営の大変さを思い知らされた。自分の甘さ加減を後悔もしたりした。

苦労もそれなりにあった、でも、

昨日、再会して、しみじみ彼は言ってくれた。「マトモな社会人に戻ってくれて、うれしかったよ」と。飲み屋に行けば、「社長、先生」どちらでも通るじゃないかと、冗談交じりに思い出話は尽きなかった。

社会人になると学生時代の友人も段々と疎遠になり音信不通になることも多い。だが、一番親しかった彼とは何十年も会わなくても、いつでも会える確信があった。彼は私と飲みに行く夢を三回見たと言っていた。余裕ができて、30年後に再会してお互いがどんな生活を送ってきたのか?確かめられる日を楽しみにしていた。

それが昨日だった。

外見はそれ相応に歳をとったけど、話し出すとあっという間に大学時代に戻っていた。「何だ、なんにも変わっていないじゃないか」。お互いに頷き笑ってしまった。

一番の友は時も距離も関係ない。いつもどこか頭の片隅にいて心配してくれている。彼と再会して改めてそう思った。

兄のような友を持ち、放浪時代、サラリーマン時代、そして企業家時代、この三者三葉の経験をしたことは私にとって掛け替えのない財産となった。いかに自分を客観的に視ることが出来るか、それが成長に繋がると思う。

人生の軌道修正の機会を与えてくれた神様、こんな私を拾ってくれた妻、親父さん、友、縁のある人たちに今は感謝の気持ちでいっぱいだ。



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コメント

NoTitle 

zTak様 コメントありがとうございます。

AzTakさんは私の兄のような親友の立場なんですね。チラッとAzTakさんのブログで拝見するお顔はとても強そうですもんね 笑。
今はAzTakさんの方がアチコチ飛び歩いてモデルの写真?とか撮って人生を謳歌してるのかな。この前みたいに体調崩さず元気に東奔西走してください。
  • 京一朗 
  • URL 
  • 2018年06月05日 22時02分 
  • [編集]
  • [返信]

NoTitle 

私はその友人氏のような感じでしょうか?こちらは卒業後四十数年経過。仙人のようだった友人が京都に住んでいます。還暦を過ぎてから時々会うようになりました。性格はかなり違うはずなのに、妙に気が合います。
彼の方が今は何故だか堅実な生活を送っているようです。

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