3D京都

いにしえの京都を3DCGで再現します。史話、短歌も詠みます。

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万寿丸、禁裏を駆け抜ける!

みなさん、お寺や神社で稚児行列とか見られたことあると思います。七五三の行列が一番多いかな。その稚児さんですけど、もう少し上の中学や高校生の年齢の童形姿を目の前でみたらきっと驚くと思います。それが江戸時代、京洛の御所をその井出達で颯爽と使い番として駆け抜けた若者たちがいたんです。しかもイケメンです。今でいうジャニーズ系の眉目秀麗な少年たち。彼らは何者でしょう?
まずは童形姿から。
童形
どうですか、髪を稚児輪に結んで可愛らしいですよね。
かれらは、いずれも公家の次男坊や三男坊たちで、普段の仕事は禁裏や仙洞・東宮の御所、親王家、摂関家、門跡寺院などにあって女官との取次ぎや使い走りを勤めた少年たちで、いずれも優秀で容姿端麗な少年たちが選ばれたそうです。普段は長橋局(宮中奥の窓口を担当していてとても権力があった)などを部屋親として、宮中奥の女官部屋(局)で起居し、平常は外出せず待機していたそうです。大勢の女官からすれば男子禁制のお局で男はかれら稚児だけ。しかも容姿端麗。きっと女官たちに可愛がられたことでしょうね。なかには桃丸と言って時の知恩院門跡の法親王に従って江戸へ下向、そしたらそのあまりもの「巧笑美目」なるがゆえに江戸城中、騒然となったエピソードもあったほどです。まぁ、牛若丸の再来ですよね(笑)。元々少年たちは次男以下ですから公家の家を継げません。俗にいう部屋住み、厄介者の立場です。その境遇から抜け出るには養子にでるか出家か、一生、部屋住みで終わるしかなかったんです。そんななかで、唯一の宮仕えが稚児の使い番だったんです。十歳前後から出仕を始め、定年は18歳前後、定年後の保障はありません。江戸の前期では、まだ分家して公家になることもできたみたいですが江戸の中期にもなるとほとんどありませんでした。
そうしたなかで、唯一、例外的に分家を認められ晴れて公家になった幸運な少年がいました。その名は万寿丸。公家四辻公亭(きんなか)の次男で江戸中期、天明のころの人です。では万寿丸の後姿を。
童形後姿
なんで後姿?って思うかもしれませんが、この公家童形姿って後姿がとくに可愛いんですよね(笑)。で万寿丸は当時仙洞御所に奉仕していて、ときの上皇は後桜町院。歴代で最後の女帝である後桜町天皇です。同女帝は第117代天皇。御父は桃園天皇で弟宮の英仁親王(のちの後桃園天皇)が5歳の幼さであったことから急遽、リリーフ役として女帝になられました。即位したときの宝冠です。この写真は栃木県立博物館刊「光格天皇と幻の将軍」から転載させて頂きました。
宝冠
りっぱな宝冠ですね。頭上には太陽が輝いていて女帝がさながら天照大神のようです(笑)。女帝は10年ほど在位された後、後桃園天皇に譲位しました。しかし後桃園天皇が早くして亡くなられ、その後、傍系の閑院宮家出身の光格天皇が即位されると、陰日なたから指導されとても賢明な女帝だったといわれています。不思議なことに女帝の場合、後真影(正式な肖像画)がありません。一つの不文律になっていたみたいで、やはりリリーフ、あくまで影の立場であろうとしたのかもしれません。代わりと言ってはなんですが、同女帝の直筆の和歌の懐紙を載せます。これも栃木県立博物館から転載させて頂きました。
後桜町天皇和歌懐紙
何というか女性らしい繊細さのなかにも力強い秘めたパワーが感じられる筆致ですね。この和歌は将軍。家斉に送ったもので、堀の池にすむ亀の齢にたとえ家斉将軍の長寿を寿いだ歌です。
さて、その、後桜町上皇にお使えしていた万寿丸、とうとう定年の18歳が近づいてきました。しかし、生憎、養子の口が空いてなく、このままでは無職になってしまいます。とても心配された上皇は考えた末、仙洞御所のお蔵米から30石を万寿丸に与え新た公家の一家を創始させることにしました。その後、紆余曲折はありながらも万寿丸は、「西四辻公硯(きんひろ)と名を改め初代となりました。同家からは4代目の公業(きんなり)は王政復古後に新政府の参与となり、戊辰戦争の功により賞典禄200石を下賜されています。まぁよかったですね。きっと上皇の御為一生懸命、禁裏を駆け巡ったんでしょうね。まるでその情景が彷彿と目に浮かぶようです。江戸時代のささやかな小話でした。なお、この話の出典は吉川弘文館刊「朝廷をとりまく人びと」(高埜利彦著)から引用させて頂きました。



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2017年5月8日更新

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