3D京都

いにしえの京都を3DCGで再現します。史話、短歌も詠みます。

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梅村京一朗短歌集 さよならの問い合わせ

実は「さよならの問い合わせ」ではなかった。
「お礼の問い合わせ」だった。

つい先日、これから始めるささやかな事業の認可が下りた。嬉しくもあり、ここからが本当のスタートだと、今、心を引き締めているが、それでも不安なことがあって、直接、農林水産省の部局に電話で聞いてみる。それでも心配なので記録が残る問合せメールで改めて質問してみた。応えてくれた方は電話のときの同じ方だった。

私は今後の事業で気になる点を幾つか書いた。そんな私に担当官は丁寧に返事を下さった。官僚という立場の答える限りの言質を頂いた。いわば、お墨付きを得たかった・・・。
私はお礼のメールを返したかった。でも、問合せメールは聞きたいこと、質問したいことを書くフォーマットだ。だからお礼のメールをするのも場違い。そのまま日にちが経った。

「お礼の問い合わせ」があり得ないフォーマットならば、
「さよならの問い合わせ」はもっと意味不明な問合せだろう。と、なぜか「さよなら」の言葉が出てきた。

若き頃、好きな女性と付き合うことは常に別れを予感するものだった。なぜなら、いつ彼女から別れの言葉を切り出されるか心配だったから。それだけ私は軟弱で自信がなかった。

そして、別れた。毎週会っていたのが月二回、一回、後は疎遠へと自然消滅していった。言葉にしない別れ。それは彼女の優しさと恐れの表明だった。

歳を重ねても、男はたまに過去の彼女の事を思い出すものだ。喧嘩別れじゃなかったから、私には抒情を伴う思い出だ。懐かしい。
今、思えば、疎遠になっていった行程は、「さよならの問い合わせ」だったのだ、と今更ながら思う。

やっと見つけた。「さよならの問い合わせ」」の語法を。

強い風が吹いているけれど空はあまねく蒼天だ。台風は去った。
さぁ、人生最後のチァレンジだ。私は生きる。


★ アベリアの 茎は伸び過ぎて 剪定を 待つばかりの 花心かな


アベリア

アベリアの木はよく生垣に使われるそうだ。花期は春から秋ととても生命力のある低木らしい。
六月、いつもの湖畔の散歩道を歩いていると、生垣のアベリアの茎だけ一馬身と思えるほど空に伸びている。伸びすぎだよ、辛くないかい?とどうも気になる。生垣だから、バリカンでサットと一文字に刈ったら気持ちいいだろうなぁ、と思うのは私だけではあるまい。そうだよ。人間側だけじゃないよ。アベリアだってきっと剪定を待っている。綺麗さっぱりと気持ちよくないたいのは、人も花も一緒だよね?。と、花ごころに聞いてみたくなる。


★ 助手席に ちょこんと座る 犬の顔 気持ち良さげに 人間化してる


車と犬


なんだよ、その涼やかね眼、気持ち良さげな顔は。いい飼い主さんに出会って良かったね。「何も歩くだけが散歩じゃないよ、ドライブは楽しいよ」、そんな事思いながら外を眺めているのだろうか? 犬の心具合はわからない。でも、表情は確実に人間化している。

★ 旅支度 帰りの予約を しておいて 終わりから始まる オフロードを行く


切符

一人旅だったら帰りの切符など事前に買わない。気ままに漂泊し金が無くなったら帰る。でも、家族をともなった旅はちがう。帰りの予約もキチンとしておいて安心と安全を心がける。大切な家族だ。ただ、どこか気持ちの一辺には、片道切符の旅をしてみたい気持ちがある。気に入った場所で自由に途中下車したいから。安心という終わりから始まる家族のオンロードな旅。でも私の心の旅はオフロードだ。


★ 伸び止まる 丈き草たちよ 猛々しく 生きずなら捨てろ 夏の冠

今年の夏、とくにセイタカアワダチソウが丈高く伸びている。耕作放棄地にすぐヤドカリしてあっという間に草の樹林ができる。猛々しく夏らしい草だがどうにも好きになれない。日本の風土・風景にはとても合わない外来種だ。なのに山羊の好物?だという。どうせ生えるなら天高く生え獰猛な夏を演出しろ! そして、伸び代が止まったら夏の終わり。野草の宝冠をススキに返してくれ。と叫びたくなる。10月、アワダチソウの黄色い花たちが咲き誇っている。でも花が枯れれば、それまで隠れていたススキが表舞台に出てくる。ススキはやっぱり日本に似合ってる。たとえ荒野でも萱の穂波は美しい。アワダチソウの方は荒野をより荒野にしている。

戦国時代、なぜ馬が疾走し合戦が繰り広げられることができたのか? それは萱のおかげだ。家々の屋根はみな萱で葺かれ至る所に萱の草原が広がっていた。そこで戦われたのだ。以上は私の勝手な解釈。合戦はススキのせいではありませんからね。今は野焼きもなくセイタカアワダチソウの天下。月に薄。それはもう夢なのかな。


★ 揺れる銀杏 流れる行雲 父と娘 さざめく笑いに 賛歌を贈ろう


銀杏の樹


銀杏と、流れる雲と、父と娘のさざめく笑い。なんの脈絡もないのに心に沁みるものがあるのはなぜだろう?私が女々しいだけ?。それでもいい。親和性は思いがけずやって来る。

★ 台風一過 晴れ渡る空に 一筋の 飛行機雲が  尾を描いてゆく


飛行機雲

台風が過ぎ去った後の空は雲一つなく美しい。そんな青空を飛行機雲が尾を描いてゆく。災害に遭われた人も見ているかもしれない。一筋の希望に私は思えてならない。


★ 真宗の 坊様禿げれば 直ぐわかり 禅の坊様は 剃ってわからず 

坊主頭


戯歌を詠ってお坊様に申し訳ない。先日、親戚筋の御年忌があって出向いた。そこは浄土真宗の仏さまで、家にはご住職も見え念仏を唱えてみえた。真宗だから「南無阿弥陀仏」を七回唱えれば済むかと思ったけど、甘い考えだった。この日は大雨で寺へは行かずずっと家での読経だった。一時間も続いた。途中、うたた寝をしてしまい焦った。そんなこともあってお坊様の頭をしげしげと眺めた。ふさふさの髪で袈裟を脱いだら普通の人だ。もし禿げそうな坊様なら禅宗がいいな。
などとバカなことを思っていた。

★ 高層の ビルの庭園に 生える草 きっと種子は 人と上がるのだろう


屋上庭園


高層ビルの中階にある庭園。雨も風も降りこまない。蝶や蜂、虫も居なさそう。でも雑草は雑草だけある。どこでも逞しく生えてくる。足元を見れば埃のような土が靴に付いている。雑草の種子たちも、きっと人と一緒にエレベーターを上ったのに違いない。


★ ハッピ着る 君を見つけて 手を振れば ディーラー日和の 売れるといいね

いつも半年点検とうるさく言ってくる営業のC君。遅くまで仕事をしている。気まぐれなドライバーを相手するのは大変だと思う。けれど彼はめげず頑張っている。憎めない顔は天性の営業マンかもしれない。次に買うときまで待ってろよ! と尊敬とファイトを込め手を振っているのだよ。C君。


★ 北白川 というラーメン店のあり 京味か 濃いも薄いも ラーメン街道をゆく

ラーメン店看板

最近増えている外食店は焼肉系とラーメン店。一方でうどん・蕎麦屋さんが減っているような気がする。流行とともに嗜好も変わるということなんだけど。店員の白い長靴の汚れ具合が食欲をそそるというラーメン店の摩訶不思議なメカニズム。そんななかで「北白川」なんて上品な店名をつけて大丈夫?とつい気になる。大きなお世話かもしれないけどね。今夜もまた美味しい店を求めてラーメン街道を走る。


★ 二股の 電線に休む 二羽のカラス 追いつ追われつ 冬は恋の始まり

カラスの夫婦は一生連れ添うという。あの真っ黒な姿からは想像もできない純情だ。そのカラスたち、冬は恋と失恋の季節。


★ 駅前に 増えるマンション 知らぬ間に 相続相談の 看板のあり


駅前マンション

次々と建つ駅前のマンション。その多くが老夫婦をターゲットにしている。電車やバスで市民病院にも行ける。一回り歩いて暮らせる安心と利便な環境。でも、そこにもやはり人生の精算というものが来るのですね。

★ 雨の日の レインコートの 濡れた髪 指先で拭う あなたを見過ぎて


雨と女性

たとえレインコートで身を包んでも雨を防ぎきることはできない。だから傘も差している。
足元を雨の跳ね返りが飛ぶ横断歩道。そこを渡っている一人の女性。コートからはみ出た髪が濡れている。当たり前のことだ。でも彼女の端正な横顔はけっして雨を寄せつけない凛とした表情をしていた。
その彼女が濡れている・・・雨を防ぐのがレインコートという固定観念が崩れていく。そして髪を拭うあなたは一人の艶やかな女性に戻っていた。

★ 玄関で タバコを燻らす 坊様の 市区会館で 家族葬のあり

最近は家族葬が増えている。別にそれがご時世だよと、論評するつもりはない。生々流転の世の中だ。
ただ、お坊様が玄関で立ち話しながらタバコを吸っているのが少しシュールに見えた。


★ 眠るのが 猫の仕事と 寝顔見つ  老いた眠りと 今に気が付いて

眠り猫

果たして一日のうち、私の飼い猫がどのくらい寝ているのか計ったことなどない。ただ寝るのが日常の風景でソファーで頬を撫でてあげるとゴロゴロ喉を鳴らしている。もう飼って何年になるだろう? ふと、寝顔を見ると目ヤニの色が変わっている・・・。鈍い私にもそれが老いた眠りであることを今更ながら気が付いたのだ。


★ ポケットに しまい忘れた カスミソウ 栞代わりに 本に挟んで

花の栞

乙女のような歌だ。確かにポケットにカスミソウらしき花を入れた。入れたというより偶然入っていたという方が正しい。どうしよう?と思ったとき押し花にして栞にでも使おうかと考えた。でも実際は机の上に少し置くだけだった。苦し紛れに一つの花の物語を作っただけ。それが真相であり私の「短歌」という創作。


★ ペチャンコな ポシェットに夢を 膨らませ 少女はどこへ めがけて行くの

「少女」という言葉の響きだけで詩と感じてしまう。そしてリアルな少女が本当に小さなポシェットを翻し私の前を駆け抜けて行く。躓かないようにね。ペチャンコなポシェットには何か詰め込んで帰ってくるのだよ。どこへ目がけていくのか知らないけど信号はちゃんと守るのだよ。と少しお節介な心配をした。私にとって少女は「未来」という羨望だ。
でも私が少年だったころ、少女は少女ではなかった。


★ 電車内 寡黙の支配する 乗客の 疲れは違っても 揺れる平等


電車沈黙

この写真が深夜ならもっと雰囲気が出ていただろうなぁ。午後の通勤帰りが始まろうとしたとき、その電車内は珍しく沈黙が漂っていた。若い生徒たちもいなかったからね。乗客の表情と肩は人それぞれだった。寝ている顔、疲れた顔、ボッーとしている顔、幸せそうな顔。様々だ。ただ、左右に揺れる電車に合わせて頭だけは平等に揺れている。

★ 換気口 侵入者を見れば アシダカグモ その大きさに 今夜は眠れない

アシダガグモは本当に大きい。しかも突然目の前の壁や床に現れるから始末におけない。突然のビックリ度ではムカデより強烈かも。

★ 剥がそうと したけどやめた 亡き犬の 文字も薄れた 注射済証

        (2017-11-17訂正 壁の検査証→注射済証)

注射済シール

もう死んでから2年経つだろうか。実家に戻り家を建て替えたとき、最初の狂犬予防注射の検査済証だった。
犬の思い出はいつまでも残してはいけないと思う。それが人間は人間であり、動物は動物であることの自然界の掟だ。だから検査済証を剥がそうとした。でも躊躇する内、雨が降り出した。濡れた紙を剥がすのはかわいそうだ。そう思うと犬を思い出してしまう。


★ 咳したら スリーブモードの 目が覚めて 画面に一瞬 狐憑きのつく

最近のパソコンは繊細だ。うたた寝し咳しただけで眠りから目覚めてしまった。あわてて画面を見ると白いぼやっとしたものが一瞬現れる。尻尾?狐に憑れのだろうか?

★ スリットガラスに 鳩の置物 見送りて ただそれだけで 謳われる日のあり

何でもないのに、目の前の無造作に重なった配列に感動し涙ぐむときがある。在るべき所にあり、無いところには無い、その存在と形が何かの拍子で崩れ、入れ替わった時、小さな産声が聞こえる。ゴッホの向日葵の絵のように、あるいは糸杉を回る日輪のような化合が私の魂をゆすぶる。 

★ サングラス 外しても変わらない 等質な 日の暮れ方を 独り眺める 

そんな一日の光と影の領域がブレンドされる刻がある。決まって風は止み、遠近のなくなった地平線を私はテレポートするのだ。


★ 犬のふん 乾いてカラコロ 風に乗り 擦れてはこすれ 小さくなってゆく

流石に手の平にはのせられない。それはウンチはウンチだからと思うからなんだけど。
でも、乾いてカラカラと風に回され、それこそモグラの穴に落っこちてしまうのではと、その軽さにふと思う。
空を舞っているのが花粉なら、地の肥やしとなって転がっているのが犬のふん。
ある日、散歩していたら消えていた。


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2017年5月8日更新

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Author:梅村京一朗
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寝つきの悪い夜は、いにしえの京を想いながら寝ます。すると鼓の音のように京の日々歳々が甦ってきます。・・・浅き夢みし男のブログ語りです。

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