3D京都

いにしえの京都を3DCGで再現します。史話、短歌も詠みます。

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梅村京一朗短歌集 気泡の夢

もしこの御方がいなかったら「万葉集」は生まれていなかったかもしれない・・・
その御方とは、天武天皇、壬申の乱で大友皇子を破り帝位についた方です。
また、古事記、伊勢神宮もなかったかもしれない、と言われています。

現代につながる日本の骨格、国柄を作られた方です。
そんな偉大なる天皇の歌が万葉集にも幾つか載っています。

そのなかで私が好きな長歌(五、七、五、七を繰り返し最後に七、七で終わる和歌)を一つ、

み吉野の 耳我の嶺に 時なくぞ 雪は降りける 間ま無くぞ 雨は降りける
その雪の 時なきがごと その雨の 間まなきがごと 隈もおちず 思ひつつぞ来こし その山道を

意訳は、 
吉野の耳我の嶺みねに、絶え間もなく雪は降っていた。休む間もなく雨は降っていた。
その雪が絶え間もないように、その雨が休む間もないように、曲がり角ごとに物思いをしながら来たのだ、その山道を。

帝がこの長歌を詠まれたころ、
皇位を巡って自身は辞退し吉野の山中に難を逃れ籠っていたときの歌です。
心身ともに疲れ切った心境を詠まれているのだろうと思います。

しかし、この長歌の調べからは悲嘆さはあまり感じない。
五、七調で繰り返される吉野の山の雪重ねは、
自然と人との関わりの永遠性を感じさせる。
帝もそう思われたかもしれない。

帝は、各地から身分の差なく歌、舞、笛などが得意な男女を集めて、
今でいう「のど自慢大会」みたいな芸能大会を開くのが好きでした。
上手な者には褒賞を与え、大会が終わったあとも皆で夜を徹して酒を飲み
歌を歌ったといいます。

その歌垣があって万葉集が出来上がっていったのですね。

往古の大和の長歌を聞いてみたいです。

********** 自作短歌に入ります ***********

★ 焦らずに やり直してと 思いつつ 口には出せない ATMの後待ち  

ATMで順番待ちをすることはよくあります。
たまたまその夕方、通帳記入すためATMに寄ったところ、
先客の若い女性が振り込みに手こずっていました。
最初、失敗し二回目もたいへんそう、
「焦らずに、やり直せばいいよ」と内心思いながら待っていると、
どうやら上手くいったのか、そそくさと立ち退きました。
記入が終わって後ろを振り返ると、
なんと隅に彼女が立っていました!
なんだ失敗したのか・・・・

後列に並ぶ人たちの迷惑になると思い退いたのでしょうね。
私はちょっと後悔しました。
なぜ一言「大丈夫、後ろは気にしないで」と言えなかったのだろう・・・と。

彼女はきっといつも損をしているのだろう・・・
気遣いばっかするから。
気の小さな彼女の背を押してくれる彼氏がいるといいなぁ・・・と思いましたね。

そして、彼女を通して自らの小心さを実感してしまったのです。(2016-10-19)


★ 優しさは 衝動的なもの エレベーターの ブザーに思わず 降りるあなたが

エレベータボタン

エレベーターでのこと。ちょっと混んでいたので人が入ってきたらブザーが鳴った。
その場合、後から入った人が降りると思うけど、
今回は違った。先に乗っていた男性がふぃっと降りてしまったのです。
エレベーターは閉じ上階へと上がりました。

その男性はネクタイも少し疲れた感じで定年間近い、何か出世とは縁遠い雰囲気の人でした。
でもドアが閉まるときの彼の表情を一瞬見たとき彼の柔和な目と合いました。
誰かが降りないと動かないエレーベーター。
彼の優しさは条件反射でした。考えるよりも体が先に動いていたのです。

彼の人生、職場がどんなものだったかは知らない。
けれども、その一瞬の優しさは頑張って生きてきた結果なのだと、
私にはそう思われて敬服してやまないのです。(2016/10/20)


★ パスワード スペルを間違え そのままに 君の名を使う いまさら言えず


最近はやたらネット関連のパスワードが多くて今度は何にしようかと迷うとき、
思い切りのいい人は目を閉じて打ったキーがパスワード。
私にはそこまでの蛮勇?はない。
だから、こっそりと君の下の名をパスの一部に使わさせてもらう。
だが、そんなときに限ってスペルを間違えてしまう・・・
気の置けない友だから「名を借りたよ」といえば彼は笑うだけだが、
さすがに「スペルを間違えたからパスワードの精度が上がったよ」、とは言えない。
そんなヘマな男の歌です。(2016/10/16)



★ 窓格子 夜風に吹かれて 寂しかろ トイレに寄れば カタカタと鳴り 


格子窓1

感傷的といえばそれまでですが、
アルミサッシはどこか鉄よりも弱々しい感じがして夜風に吹かれたら
風邪をひくのではないかと・・・実は自分が寂しいんですけどね。(2016/10/16)


★ 紙の上 コップを置けば ふんわりと 気泡の夢 朝に飲みほして


tomatoo.jpg


もし、ホテルのラウンジのコースターに置かれたコップだったら
そんなことは起こらないだろうと思える朝だった。

悪い癖でいつも新聞を広げながらトマトジュースを飲む。
直そうと思うのだけど長年の悪習はなかなか断ち切れないもの。

で、いつものごとく、紙の上(新聞紙と書くと詩的でない・・・)にコップを置いたら、
その朝に限ってとても柔らかい感触がしました。ふんわりと微かに浮かんだ感じ。
まさか紙の上のリニアコップ?、な、ことはない。
いつもなら「また、新聞紙の上においてすみません」と恐縮してるはず。

けれど、「紙とはこんなにも物を柔らかく包み込むものなのか」と
なぜかその朝はそう思えてなりませんでした。
そしてコップの上には無数の気泡が浮かんでいて、
気泡のなかには無数の夢の原子が詰まっている・・・

寝ぼけている?
でも、いい。
私は思う存分、朝のトマトジュースを飲みほしました。(2016/10/20)


★ シリアルの チャックをしっかり 締めすぎて なかなか開かない 不機嫌な朝


今度は不機嫌な朝、
不器用で短気で幼い自分。やっぱりなぁ・・・と思う朝。(2016/10/13)


★ 幸せの 黄色い蝶が 一つがい 空に舞っている 澄んだ秋の日の

黄蝶

そのまんま、黄色い蝶が舞っていた。
調べたけど黄色い蝶はいくつもの種類があってどの種族かわからない。
でも、ハンカチもいいけど蝶の方がもっといい。
なぜなら生きているんだから!
澄んだ秋の青空に、「幸せ」など関係なく蝶は飛んでいる。
だから私は見ていて飽きないのです。(2016/10/15)


★ 起重機が 軽く見える 丘の上の ほどよき遠さの 安らぎを得る


遠近法のマジック。
それは何も絵画の世界だけではない。
近くもなく遠くもなく、
その中間に一つのベンチが置いてある気がする。

そこに座ると、重いものは軽く、軽いものはさらに軽く、
そして心の比重も軽くしてくれる、そんな程よい安らぎが
ベンチには置いてある・・・(2016/10/5)


★ サボテンの 花が咲いたよ 廃業の 店先のドアの 重石にされても

サボテンの花

咲いたよ、真っ赤なサボテンの花が。
店がやめても、主が去っても、外に吹き曝しにされてもそれでも咲く。
ちゃんと私は見ているよ。(2016/10/6)


★ 半袖を 夏が通り抜ける グランドを 走る少年は 汗を拭わず

Tシャツ

半袖のTシャツの袖の先、肌に鳥肌が立つ朝が来るようになったら夏はもう過ぎ去っている。
グランドをひたむきに走る少年の汗は、もう滝のように流れる熱い夏のものではない。
額にうっすらと玉の汗をかくだけだ。
それでも少年に汗をかかない季節はない。
だったら冬はどんな汗をかく?
雪の結晶形??
もうすぐ12月ですね。(2016/10/12)


★ 四つ入りの 和菓子を探す 拘りて 家族で一つの 箱を囲んで

四つ入り和菓子

いつからかスーパーや店に寄ったとき、四個入りの和菓子を買って家に帰るようになった。
別に何個でもいいのですが、家で家族四人、一人に一つ同じ菓子箱から出して食べるのが
一つの楽しみになっています。
きっかけは、やはり御婆さん(母)。
お年寄りの食は細い。一つ食べれば十分。
そしてあっさりした和菓子が好きです。
喜ぶ顔を見ると、
今度はどんな和菓子を買おうかと思案するのです。(2016/9/29)


★ あぜ道の 草に隠れて 見えぬ先 耕作放棄地の 野は広がりて


耕作放棄地

最近の一つの目標は「歌会始」の短歌に入選すること。
今年はお題が「野」で、とにかく一首のなかに「野」が一つでも含まれればOK。
だから。今年は「野、の、ノ、NO」と首をひねる日があったりしましたけど、
意識すればするほど歌ができない寡作な自分なのでなかなか出来ない・・・・

で、やっとこさ、一つできた。ちょっとシリアスな一首で年の初めの「歌会始」には
ふさわしくなと思いましたけど、それでも今の時代の一つの断面を表現していると思い
応募することにしました。
ところが締め切りは9月30日。
もう過ぎていた・・・
ということで幻の「歌会始」応募作品です 笑(2016/10/4)


★ 蜘蛛の巣の 水を弾きて 銀になる そこに映り込む 一片の空


実は空というよりも、その銀の水玉に映る自分を見ていた気がする。
そんな小さな表面に映るわけないけど、心象風景として見えたのかもしれない。
蜘蛛の巣も時に水銀を流したような美しいときがある。
でも水銀は毒ですよね。
やっぱり蜘蛛の巣には一片の空が映っていて、それを見ている
自分がいたのでしょう。(2016/10/21)


★ 落ち込んで ポケットに手を 突っ込めば 割引券のありて その店に行く

デニムポケット小


こんなときは、最初は苦笑い。そして、しばらく経つと今度はオカシ笑い。
で、最後は店を出て大笑い。(2016/23)


★ リビングの 家族が見える 夜更けても カーテンで隠さない 光る家のあり


彼は物怖じしない。夜になってもリビングのカーテンは開けたまま。
しかも家の周りは遮るものはない。
丸見えだ。お嬢ちゃんが一生懸命ピアノを弾いている。
リビングにはいろんな物が見えるし散らかっているのもそのまま丸見え。
まるで、彼の家だけライトを浴びた小劇場のようだ。

誰が見ていうよが構わない。開放的といえばあまりにも開放的。
私には到底真似できないしやらない。

彼の家はまさに蛍の家だ。(2016/11/2)


★ 作り笑い 君は営業職 知合いて 買わなくても今は 頬の緩む仲 
 

どんな出会いでも最初は作り笑いの一つもあると思う。
営業職ならなおさら。
でも一流の営業職は「どちらが客がわからない」ほど、客の
方があれこれ心配したり世話を焼いてくれる。
遠い親戚より近くの友です。
「買ってよ」と言わなくても、もう毎月、定期便が走っている。
そして気が付いたら「おお、お互いに客じゃないか」と言い合う。

一つ言えることは、会社の同僚よりも愚痴が言えるからかもしれない。
(2016/11/5)


★ 椋鳥は 悲しからずや 嫌われて 夜の並木に 咆哮する


都市の並木道にはよく椋鳥が群れています。
夜はうるさく糞もいっぱい落としている。
もう迷惑以外のなにものでもない。
カラスだって山に帰る?のに。
並木沿いの薬局に寄ったときも
椋鳥の話になって市側でも対策に困っていると言う。

そんな椋鳥でもなんか一つは良いこともあるだろう?
「あったら教えてください、短歌に作りたいから」と店主に聞いたら、
怪訝な顔をしていた。
やっぱりないのかな・・・。(2016/10/15)





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2017年5月8日更新

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Author:梅村京一朗
(けいいちろう)、
寝つきの悪い夜は、いにしえの京を想いながら寝ます。すると鼓の音のように京の日々歳々が甦ってきます。・・・浅き夢みし男のブログ語りです。

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