3D京都

いにしえの京都を3DCGで再現します。史話、短歌も詠みます。

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冨田勲と杮葺

先日、テレビ(NHK)で作曲家の冨田勲氏が出演されてました。
あの初音ミクを起用して作曲した「イーハトーヴ交響曲」の紹介というか、なぜ、ミクを起用するに至ったのか、実際の演奏と歌う映像を交えて語っていました。

冨田勲
(冨田勲氏 )

御歳、80を越えているんですね。
あの名曲・新日本紀行のテーマ曲を作曲された方ですが、自分もそのテーマ曲は大好きです。
日本のふるさとの原景を感じさせ、思わず胸がキュンときますね。

で、その語り口を聞いていたら、もう引退しましたが、「塩爺」の愛称で親しまれた元自民党の長老政治家・塩川正十郎氏の声とそっくりです。てっきり塩爺が甦ったかと思いましたよ^-^。

というのも、自分はTVを観ているのではなく声だけ聞いていたんです。

普段、テレビはあまり見ない方で、自宅のリビングが吹き抜けになっていて、その吹き抜けの上に自分のささやかな書斎があるんです。
だから声だけ聴こえてくるんです。

家を建てるとき、ハウスメーカーさんから、家族の絆を高めるためには吹き抜けがいいですよ。いつでも家族の声が響き合いますから、また、階段もリビング階段がいいですよ。お子さんたちが必ずリビングを通らないと自分の部屋に行けませんから、との営業トークにすっかり嵌ってしまい、吹き抜けを作りました。
確かに最初の頃は開放感もあっていい気分でしたが、そんな気持ちもしばらく経つと現実が迫ってまいります。
冬は寒い、光熱費がかかる、家族の声が響きすぎてうるさい、あげくの果て、自分のイビキさえも槍玉にあがって、うるさくて寝れないと叱られるし、なぜ、吹き抜け作ったの!もう一部屋作ってそこを書斎にすれば良かったじゃない!・・・と、まぁ、自分は小さくなっています。

でも、吹き抜け空間のある二階の三連の窓から眺める青空は気持ちよく、側にはフランク・ロイド・ライトのスタンドもあって違った意味で開放感があります。

冬になると電気ストーブを傍らにもってきて、焚火で手を暖めるように身をあずけ、その温もりに浸っています。

足元ではペットの猫がスヤスヤと気持ちよさそうに寝ています。
こんなとき、穏やかな至福に満たされます・・・

でも、あれじゃ焼け死ぬんじゃないか?と思われてくるほどストーブの近くで寝ている姿を見ますと、
実は猫の毛は寒さから身を防ぐためのものではなく、熱さから身を守る?ためのものじゃないか・・・と、
つらつら思う冬が幾年となく続いています。

冨田氏の話にもどります。
ちなみに冨田姓の方にウ冠のついた「富田」と文書に書いてしまうと叱られます。気をつけないと。

それにしても、冨田先生の感性は若いですね。
初音ミクを登場させるとは。
二階までイーハトーヴ交響曲が響いてきます。
いい曲ですね、感動しました。オーケストラの奏でる交響曲に聞き惚れるのは久しぶりのことです。

冨田先生の語りを聞きながら、例によってネットで先生の来歴を読みました。

すると、なんと先生は電子楽器のシンセサイザーを日本で始めて楽曲に使った草分け的な方だったんですね!知らなかった。電子音楽の申し子・初音ミクを起用するのも頷けます。先生はやっぱり常に時代を先取りしていたんだ、と改めて思いました。

個人的にもシンセサイザーは好きです。
30歳になろうかというころ自分もヤマハのシンセサイザーを買って、作曲の真似事をしたりしました。

喜多郎や姫神、センスとか、それぞれ個性があって、みんな好きですね。

で、冨田先生の作曲方を調べていくと、まるで雲母をはがすように同じメロディを何十回も多重録音し,大規模な弦楽セクションの様な演奏を作り出していくんですね。そしてその過程で、先生独自の音色・音源が生み出されてゆくんです。

その自分が生んだキャラクター(音たち)たちにはそれぞれ、「パプペポ親父」、「口笛吹き」、「少女のハミング」、「女神のソプラノ」、「森のコーラス」等と 名前をつけて、わが子のように可愛い子たちだと言っています。

その話を聞いたとき、レベルは全然違うけど、自分の今作っている3Dにも同じことがいえるような気がしてきました。

ポリゴンを使った3Dの立体化そのものよりも、その立体にどのような色付けをしてゆくか、俗にテクスチヤを貼りつけることですが、

そのとき、どんな色づけをするかがかなり重要になってきます。
普通に色づけすれば絵の具の色になってしまいます。
それらしく作ろうと思ったら、どうしても質感のある中間色が大事です。

自分にとって、京都を3Dで表現するとき、とくに三つの色に拘っています。

まず御所の屋根などに葺いている桧皮葺の色合い、そして白い漆喰の感触、そして杮葺の色です。
桧皮葺の色は当初なかなか表現できず、京都へ行って写真を撮りまくったり、ネットからも様々な桧皮葺の写真をサンプリングしたり、貼り付け領域をピクセル単位で変えてみて、3Dに貼り付け試してみましたけど、なかなか納得できる桧皮葺の色に出会えませんでした。

そしたら、岡崎の伊賀八幡宮が屋根を葺き替えたと知って、写真を撮りにって、そこからいろいろ加工したら初めて納得のいく質感のある桧皮葺色を表現できました。

そして白い漆喰についても同じような試行錯誤を繰りかえして、最後は京都御所のお蔵の写真を撮ったら、納得のいく漆喰色が出来ました。白色は白であるがゆえの難しさがありますね。一番、絵の具の色に近いですからね。以前、漆喰職人の方の漆喰作りの難しさを語る番組をみましたけど、それこそ、藁や貝殻とかいろいろ混ぜて、発酵というか熟成させて始めて、あの色合いと壁に塗る滑らかさが生まれてくるんですね。

自分にとっては京都御所は大切な場所です。

いままで生きてきて、あんなに清浄感の漂う空間は京都御所と伊勢の神宮でした。

御所を見学すると、大工さんや、他の職人さんたちが細部まで丹精を込めて、心をこめて造った気持ちが伝わってきて、とても清々しい気持ちになります。

残る杮葺の色ですが、今回、清閑寺家のむくり屋根を表現するために、やはりサンプリング探しに時間を費やしました。

不思議なもので「むくり屋根」には杮葺が似合うんですね。
桂離宮もそうですし、数寄屋作りの家も多くがむくりです。

こけら葺は薄い板を何枚も重ねてゆきますが、
新築時は、杉の木肌のように乳白色な白さがあり、薄板の筋目もわかります。

それで、その筋目どおりのテクスチャを貼り付けてみると、その筋目が照かって、まるでプラスチックのような色になってしまいます。

杮葺も経年というか、年を経て、薄板も適度に痛み、その筋目も目立たず円やかになっていきます。

桧皮葺が経年とともに独自な赤味を帯びていくように、杮葺もけっして自己主張せず自然に溶け込むような、何と言ったらよいのか・・・いわゆる杮葺色になってゆくんですね。

しかも場所や建物ごとに違う感触を感じますね。

で、その杮葺ですが、これもやっぱり、なかなか質感のある色がだせず、かなり、いろんなサンプリング色
を試しました。
そして今回、ベストではないですが、それなりに気に入った杮葺色に辿り着きました。

ちょっと桧皮葺色に近いかもしれませんが、確実にいえることは、けっして赤味を帯びていない点が桧皮葺とは違っています。

普段、社寺に行かれる方も、意外と桧皮葺と杮葺の違いがわからないかもしれませんね。

ということで、

冨田勲氏と何の共通項があるの?ととわれれば、音も色も、質感があって納得のいく物に辿り着くためには、何回も何回もサンプリングしたり、微調整の繰り返しをして、その領域を探し当てる、
そんな作業、行為そのものに、自分なりに親近感を感じた訳です。

また、自分にとっても、それらの色たち、テクスチャ君たちは大事な大事なわが子です。

世の中、みんないろんな形で生きて仕事して暮らしていますが、
それぞれに、きっと、見い出すだろう、自分の世界、領域が存在していると思います。

それが人生だ・・・とは、かなり偉そうですかね^-^。

ところで、冨田先生、80歳の高齢で、「もう、今回のイーハトーヴ交響曲が最後の交響曲になりますよ、この年になると交響曲を作るには、もう限界がありますからね」とおっしゃっていました。

でも番組の最後、イーハトーヴ交響曲を完成し、演奏が流され、観客のみんなが感動して聴いている情景に接すると、先ほど言ったことはどこへやら?
「塩爺」なみのとぼけた?声で、「いつも、今回でやめようと思うんですけど、また、作りたくなってくるんですよね・・・何なんですかね??」と言い始め、観ていた家族もおもわずズッコケそうになりました^-^。

なんというか、飄々として、面白く、楽しい先生でした。

ではでは、長々と書きました。

これで終わります。

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2017年5月8日更新

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