3D京都

いにしえの京都を3DCGで再現します。随筆、短歌も詠みます。

Entries

梅村京一朗短歌集 世界の「サクラ化」

短歌の記事を書こうと思っていたら、桜も葉桜になって散ってしまいました。
今は少し目を上にして残りの山桜を見上げ嘆賞しています。不思議なもので、普段、猥雑に立っている電柱や広告、アンバランスな家並みも桜の時期は全然気になりません。桜の満開の時期はどこでも絵になる不思議な日本の春です。

その桜ですけど、ニュースによれば最近は海外からの桜の花見を目的に訪れる外国人観光客も増えているとか。各旅行会社の呼び込みもあると思いますが、それだけではない気もしてきます。何で増えたのかなぁ?と疑問も芽生えてきました。海外での桜といえば、あの日米修好の記念として、1912年3月27日に日本の東京市長であった尾崎行雄からワシントンに寄贈され、約3000本の桜がワシントンD.C.のポトマック河畔に植えられた故事を思い出します。その後、ポトマック河畔にはさらに多くの桜が植えられ、今では全米に知られる春の「桜まつり」祭りとして何十万もの花見客が集まるほどにもなっています。

このポトマック河畔の桜は海外でも珍しいものとされてきましたが、今は各国にも植えられ、桜を眺める、花見を楽しむ、そんな風景が徐々に広がっているようです。私の直観ですが、これは世界の「桜化(サクラ化)」ではないかと、ふと、思われるのです。

今、世界は民族紛争や移民問題、多くの殺戮とした状況を抱えています。そんななかで、桜の持つ美しさ、儚さが心の情緒として、癒しとして、改めて目を向けられている気もします。「もう争う気もなくなる」と。


★ トンネルの 中で少女は 立ち止まり 父を振り向いて また駆けて行く


9b3cf7dad7e8674562225286df4.jpg

のどかな日和、若い夫婦が子連れで散歩していた。下の子はとても小さくベビーカーはまるで止まっているかのようだ。
遊びたい盛りの上の子はずっと先を行っている。それを父親が追いながら見守っている。
小さなトンネルがあって、その上の子の少女は中へ入っていき、暗がりになると少女はそこで止まった。
怖いのだよね。少女は振り返り父の存在を知ると、また前を駆け小さくなっていった。


★ 電線に 枯れ木の擦れて 軋む音 冬の青空に 爪は痛しき


a0002_001428.jpg


電線に擦れる音とは聞きたくないよ。錆びたバイオリンの絃はいやだよ。それでも冬は揺さぶりをやめない。
空に向けて「爪が痛くなりそうで堪らないよ!」と叫んでも自然のなかでは無力だ。


★ 手袋よ 脱げば軽々と 床に落つ 一年経てば また手に帰ってくる




8d8cfef37ac3e9b63305f6381d3.jpg


大層な膨らみを持った手袋も家に帰って脱ぐと軽くなって床へ落ちてしまう。手あってこその手袋だ。
そんなことを呟きながら、また次の冬、手にはめると、手袋あっての「手」だと、その存在の温もりに気が付いてしまうのだ。


★ 石清水 径をまたいで 水の落つ 湖上の春に さざ波の立ち



ec487603f3478678c9bfa9a73ae.jpg


湖畔の散歩道を横切る感じで岩の清水が湖へ流れ落ちる。雨の日の水滴のように小さい。
それでも飛沫があがる、波紋が広がる。春には小さなさざ波が似合う。



★ メガネ店 メガネの似合う 店員の 入社動機を 聞いてみたくなる 



a31ed22f2029620d43c097a4423.jpg


とてもメガネが良く似合う女性のスタッフに担当してもらった。フレームの調整中も見惚れるように見ていた。
「よきメガネ店によきメガネモデルの販売員」、こんなに素晴らしいコラボは想定外だった。 


★ 飲み物の 最後の〆は やはり水 中座のワイン 後座のコーヒーよりも


たわいもない歌ですが、最後は水が一番美味しいと思う。その為にこそワインは、コーヒーはより甘美でなければならない。


★ 早咲きの 桜の花は うれしくも 満開の下 人知れず散り 



a0001_013378.jpg


早咲きの桜を見つけ喜んでいるうち、真打のソメイヨシノのそろい踏みがやってきた。早咲きは葉桜に、そして散っていった。
でも、その早生が桜の到来を告げなければソメイヨシノに焦がれる思いもテンションが低かったかもしれない。   


★ 携帯が 代表番号の 占い師 看板の文字も 消えて久しく 

占い師には名前と携帯番号だけの看板を道端に立てれば商売が成り立つような面もある。無店舗営業だ。
だからか、風のようにある日去って行って、また別の場所で開業する。風来坊と言ったら失礼か・・・
でも、その看板だけが相談者との接点だから、文字の薄れ消えた看板を見ると、なぜか、その所在が気になってしまう。


★ 窓の外 見えない空の 死角から 狐の嫁入りが 降り出してくる



狐の嫁入り
然なるままにさんのブログから「狐の嫁入り」を引用させていただきました。

窓は外を見たり部屋を明るくしたり新鮮な空気を入れるためにある。
しかし、その限られた窓枠からは知る由もない空の行雲がある。
死角だらけの空からいつ狐の嫁入りがきても不思議ではないのだ。
★ 海苔を食べ いくら食べても 底のない ただ磯の香りが  遠く海を呼ぶ



a0024_000324.jpg


いくら食べても満腹感はない。でも海苔は何かと添えると満腹感を感じる。
近くに何もなく、ただ、ひたすら海苔を食べると次は鼻の出番だ。
確かにホンノリと磯の香がする。何も満たされないある日、私は遠く海の波音がお腹に聞こえてくる気がする。


★ 柚子入りの 蜂蜜越しに 君を見る 連れ添いてきた 歳月は柔らかき 


YK-A_04.jpg


暖かいセピアの色を知っているかい?ほら、柚子の養分が蜂蜜に入ると明るくなる。
明るい蜂蜜の瓶ごしに君を見ると柔らかい表情だけが伝わってくる。
過ぎ去った過去は曖昧なものにしよう。さすれば喉のつかえが無くなり歳月は甘美なものとなる。
さぁ、今日も柚子を蜂蜜に入れよう。


★ 寒椿 なぜお前だけ 鮮やかで 風は裸木を こすってゆくのだ


寒椿

寒椿の赤い花が眩しいほど美しい。私もただただ見惚れている。
風は肌を刺すほど冷たい。周りの裸木を遠慮なく吹きぬいていく。

同情ではない、ただ、なぜ、こんなにも風は裸木を鞭のようにこすってゆくのだ。
寒椿との、そのあまりの違いを冬はまざまざと見せつけてくれる。
「風に耐える裸木だけが春に緑なすのだ」と。


★ 春一番 轢かれた音が 木霊する 枯れ木の森を 猫バスの行き

森の道


猫バスとは二番煎じの表現だ。
春一番が吹くと、路上は枯れ木や枝が散乱している。その上を車が踏みつぶしてゆく。
なんとも言えない鈍い音がする。思わず森の中の猫バスに乗って聞こえないどこかへ逃れたい。


★ 向日葵の 季語は夏なれど 冬に咲く 小さき日輪は 菜の花にとけ

冬の向日葵


冬にも向日葵は一回り小さい花を咲かせる。満足に日輪を追っているだろうか?
首が折れはしまいか? と心配していると、なんだ、菜の花畑のなかで黄一色にとけこんでいるではないか!


★ カーテンを 閉めずに目覚めた 窓の辺の 重き滴の 予感するもの 

カーテンを閉めずに寝た朝は部屋も窓も気分も重い。そして窓ガラスを伝わる滴も重い。
重い尽くしのなかで感じる予感も重いのだろか?一発逆転の青空よどうか来てくれ


★ 階段を 上がる音と 降りる音 寝正月の朝  妻は太ったと思う

階段の昇り降りを気にすることなどほとんどない我が家。ただ、寝正月、ごろごろしていることも多い。
だからか、妻の昇り降りが少し重い感じ。言ったら怒られるからブログにこっそり書く。
ただの階段だけど時に違う音階がある。それは何だろう? 多分、鼻歌を歌いながら階段を上がるときだろう。
「なにか良いことあったかい?」。


★ ハシバミの 花はなぜに 緑色 桜に隠れても やがて実は満開に

ハシバミ


ハシバミの花はミドリムシが垂れ下がっている感じでおよそ花には見えない。全然、綺麗ではない。
なに、桜とのこの落差。そんなハシバミに限って桜のそばで咲いていたりする。
でも、満開の桜が散った後、本格的な春になると「待ってました」とばかり鈴なりの果実をつける。ナッツだ。
私もナッツ入りのチョコレートは大好きだ。花をとるか、団子をとるか?どちらか悩んでしまう。自然は上手くできている。



★ 古書店の 本の梱包の 見事さに 見惚れつつも なかなか開けず



古書店


時々、古本をネットで購入する。すると、結構な確率で見事に梱包された本が届く。蟻の入る隙もないほどの密着度だ。
職人芸を感じるが、いざ、梱包を解くのがたいへん。でも解いたときの達成感?もまんざらでもない。実は古本屋さんはそれを狙っているのかも?しれない。丁寧さと、頑固さ、昔ながらの古本屋さんはなぜか懐かしい。


★ 湖岸道 光と影の 彩なしに 吸い込まれてゆく 自分の別がいる

20a1e57797178f9eba90256cca5.jpg


湖岸の散歩道。歩いていると湖面と岸に迫る木々が光と影の領域に斑模様となる。光をまたぐ?影を踏む?そのどちらでもない世界に私の分身がいる。


関連記事
スポンサーサイト

コメント

NoTitle 

梅サクラ様、
写真を勝手に引用し申し訳ありませんでした。

言い訳になりますが、フリー素材でいい写真が見つからず、梅サクラ様の写真を見て「これだ!」と思い拝借してしまいました。
引用元は明記させていただきましたが、
事前承認なく掲載したことをお詫びします。

厚かましいと思いますが、できれば、この写真をそのまま使わさせて頂けないでしょうか?

不承諾ということでしたら削除いたしますので
ご面倒ですが連絡してください。
  • 管理人 
  • URL 
  • 2017年04月20日 20時03分 
  • [編集]
  • [返信]

初めまして! 

こんにちは♪

私の写真を偶然見つけました。
「狐の嫁入り」です。

コメントの投稿

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

トラックバック

トラックバック URL
»»この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

左サイドMenu

たまに短歌

2016年12月7日更新

※ 短歌集はカテゴリー欄にあります。

タグ一覧


全記事(数)表示

全タイトルを表示

※表示しきれない記事タイトルは「前ページ」で見れます。

今日の運勢

今日の言葉

京都お役立ち情報

アンケート

ご意見・メールお寄せください

名前:
メール:
件名:
本文:

マーケット情報

プロフィール

梅村京一朗

Author:梅村京一朗
(けいいちろう)、
寝つきの悪い夜は、いにしえの京を想いながら寝ます。すると鼓の音のように京の日々歳々が甦ってきます。・・・浅き夢みし男のブログ語りです。

ブログ内検索

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

ブロぐるめLite


写真提供 ホットペッパー.jp
Powered byリクルートWEBサービス
developed by 遊ぶブログ

右サイドメニュー

最新記事

カテゴリー

  ※ 表示しきれない記事タイトルは「前ページ」で見れます。

人気ページランキング

開始日:2016/11/6

ブログパーツ

キーワード別記事リスト

最新コメント

カレンダー

03 | 2017/04 | 05
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -

天気予報


-天気予報コム- -FC2-

検索・買物に利用して下さい

人気ブログランキング

FC2カウンター